地震の補助金が受けられるよう、宮城県議会の仁田議員に口利きを依頼し、報酬を渡した罪に問われている塩釜市の水産加工会社元社長に対し、検察側は懲役10カ月を求刑しました。

 塩釜市のカネヨ山野辺水産の元社長、山野辺文幹被告(62)は、2021年4月から2022年1月ごろにかけて、福島県沖地震で被災した企業を支援する補助金が交付されるよう県議会議員の仁田和廣被告に口利きを依頼し、報酬として現金50万円を渡したとしてあっせん利得処罰法違反の罪に問われています。

 24日の初公判で、山野辺被告は「違ったことはない」と述べて起訴内容を認めました。

 検察側は、2人の関係性について「山野辺被告は、東日本大震災の補助金をめぐっても
県職員との間を取り持ってもらったり、県職員を説得してもらったりして、仁田被告に計130万円の現金を支払っていた。今回も影響力に期待していた」と指摘しました。

 その上で、今回の事件については、「大型冷蔵庫を購入するために、実際より被害を大きく見せかけて県に申請した。会社の利益のために県議会議員の権限を利用して県政への不信を招いた」として、懲役10カ月を求刑しました。

 一方、弁護側は「金品の供与は仁田被告から持ち掛けていて、主体的に犯行していない」として罰金刑が相当としました。

 裁判は24日で結審しました。判決は、3月22日に言い渡されます。