クマの目撃が相次いでいます。「クマが出た」と通報を受けた後に行政や警察はどのように対応しているのでしょうか。

 目撃情報は、主に住民から市町村や警察に寄せられます。通報を受けると市町村では防災行政無線やホームページ、SNSなどを通じて、住民へ注意を呼び掛けます。

 更に、警察や自治体の担当者がクマの足跡や移動方向などを確認し、必要に応じて周辺のパトロールや学校に情報共有します。

 情報を受けて学校では集団下校したり、警察も通学路に立ったりして警戒に当たっています。

 対応が増える中、警察の装備も変わり始めています。これまでは、機動隊が持っていたヘルメットや盾などで対応していましたが、宮城県警は2026年度からクマ対応専用の防護服を導入しています。クマの歯や爪によるけがを防ぐため、刃物を通しにくい素材が使われているということです。

 クマが市街地にとどまるなど、人に危害を加える可能性が高まった時に検討されるのが緊急銃猟です。

 市町村長の判断で住宅街などに出没したクマを銃で駆除できる制度で、2025年9月に始まりました。

 これまでは、危険性を判断した警察官の指示で猟友会の会員が発砲していましたが、制度改正によって、市町村長の判断でも発砲が可能になりました。

 発砲の条件です。

1.クマが人の生活圏に侵入している
2.人への危害を防ぐため緊急対応が必要
3.発砲以外では捕獲が困難
4.住民に発砲による危険が及ばない

 4つ全てを満たした場合に、発砲が可能になります。

 2025年からは、警察官によるライフル銃を使った駆除も可能となっています。

 行政は、目撃情報を次の対策に生かすことの力を入れています。

 仙台市では、クマが山から川と河川敷を通って市街地に入っている可能性があるとして、侵入ルートの分析を始めています。

 19日、青葉区の広瀬川に面する山のふもとに仙台市がクマを自動で識別し担当者に知らせるAIカメラを設置しました。

 9台のAIカメラを導入して、市街地へのクマの進入を監視しています。

 設置場所の選定には、市民から寄せられた目撃情報が活用されました。

 より具体的にクマの行動経路を把握し、山からの進入口に電気柵を設置するなど、具体的な対策につなげたいとしています。

 仙台市環境共生課藤田慈彦課長「カメラが感知した時点で、速やかに啓発であったり対応だったりを図れるということが非常に大きな点になるかと思います。これをきっかけに、市民の皆様にも安心していただけるような対応を進めていきたいと考えております」

 各自治体と連携するため5月設置された、宮城県の野生鳥獣被害対策チームの佐藤孝夫チーム長は、目撃情報の蓄積によって、クマの行動ルートや行動範囲の分析につながり、様々な対策にも生かされていると話します。 そのうえで、クマを見かけた際には、しっかりと身の安全を確保した後に、自治体や警察に情報を寄せてほしい」としています。