khb子どもの笑顔を広げようキャンペーンです。宮城県では、小中学生の不登校が高い水準で続いています。居場所を求める子どもたちと向き合う石巻市のフリースクールです。

 石巻市鹿妻にあるフリースクール、ぽはっく。一軒家を活用した施設には、8歳から18歳までの15人が通っています。多くは何かしらの理由で学校に通うことができなくなった子どもたちです。
 認定NPO法人こども∞感ぱにー田中雅子代表理事「学校に行かないことを選択した子どもたちが、次どこに行けば良いのか選択肢が無い。そういう子どもたちが日中に来られる居場所として、2016年の秋にフリースクールを立ち上げました」

 登校できるのは、火曜日、木曜日、金曜日の週3日。学習や料理、野外活動など自分の好きなことを選んで子どもが主体的に取り組めるのが特徴です。ここに通うことで、本来在籍している学校に出席したとみなされます。
 「七輪でフランクフルト焼いたらおいしいかな」「絶対おいしい」
 話し合いの結果、この日は庭でバーベキューをすることに。
 「めっちゃ良い感じじゃん」「最高だよ」

 この施設では、子どもの意見を尊重しながら自主性を伸ばし、集団生活を通して社会性を育むことを重視しています。
 「自分はコミュニケーションが苦手だったので、ここに来てコミュニケーションを少しずつ、話かけてしゃべれるようになった」
 ぽはっくに来たおかげ。
 「受験期間は勉強したいって言ったら勉強を教えてくれる人を呼んだり、スタッフが教えてくれるとか自分のやりたいことを後押したりしてくれるところ」
 認定NPO法人こども∞感ぱにー田中雅子代表理事「うちは学校復帰ではなく、子どもが生きていくために社会に出ていくサポートという形でやっています」

 石巻市の不登校の児童生徒は、約250人に上ります。対応するフリースクールは3カ所ありますが、現在、登録している子どもは39人。不登校数全体の2割にも満たない人数です。
 この大きな課題の解決には、フリースクールだけでは限界があるといいます。そこで田中さんは近年、地域と連携した活動にも力を入れています。
 認定NPO法人こども∞感ぱにー田中雅子代表理事「不登校というものをみんなで考えて、行政とも話をして何か変えていけたら良いという思いを持っている仲間でネットワークを作りました」

 子ども支援団体や教員、宮城県議会議員など地域の多様なメンバーで作るネットワークです。不登校への理解を深める勉強会や、不登校の子どもを持つ保護者たちが語り合う親の会などを定期的に開いています。
 認定NPO法人こども∞感ぱにー田中雅子代表理事「不登校の理解を深めていくことと、これからどうしたらこの課題は解決していくかを一緒に考えていくことで、子どもが地域の中で楽しく笑いながら生活できるようになるんじゃないかな。子どもの笑顔が地域のなかで育まれるまちに」