G7仙台科学技術大臣会合の会場では、各国の閣僚をもてなす歓迎レセプションが行われます。秋保の伝統芸能も披露されます。

 野口ちひろアナウンサー

 こちらのロビーでは午後8時から歓迎レセプション、アキウナイトが行われます。各国の閣僚や関係者をもてなすための準備が急ピッチで進んでいます。

 この歓迎レセプションで披露されるのが、秋保地区に伝わる田植踊です。

 秋保の田植踊は、五穀豊穣を願い笛や太鼓に合わせて田植えを表現して舞う踊りで、2009年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。

 7年前の関係閣僚会合でも披露され、今回は保存会のメンバー20人が約10分間、披露します。

 保存会の皆さんは4月上旬から練習を重ねてきたということで、秋保の伝統文化をたくさんの人に知ってもらう機会にしたいと話していました。

 このほか、会場では仙台市や東北各地のお酒や料理がふるまわれ、豊かな食文化を楽しんでもらうということです。

 七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト

 「G7の科学大臣会合が仙台市で始まりましたが、開催期間中の消費増加や波及効果は限定的です。

 前回2016年のG7財務大臣・中央銀行総裁会議の経済波及効果の当時の試算結果です。5億1500万円となっています。

 これは、例えば仙台七夕まつりでは170億円など宮城県の他の集客イベントと比べて非常に小さい額です。

 G7の大臣会合は要人警護の必要性などから人を呼び込むのではなく、人を抑える性質があるため、期間中の波及効果はわずかです。

 G7の会合を仙台市に誘致した意義としては、まず主要な国際会議の開催実績はインバウンドの裾野を広げる有力な方策になります。コロナ禍前の宮城県のインバウンドは、6割が東アジアの近隣諸国が占めています。今回の会合の内容が世界で報じられれば、仙台市の知名度が上がりアメリカやヨーロッパ、オーストラリアからの観光客増加に期待が持てます。

 そして忘れてはいけないのは、ナノテラスです。仙台市での会合開催は、ナノレベルの物質を確認できる巨大な顕微鏡と呼ばれるナノテラスの存在が決め手となっています。

 2024年に稼働予定で、施設の設備性能は世界屈指と言われています。このナノテラスの利用者を世界から呼び込むためのPRには絶好の好機です。

 ナノテラスの利用には高額な料金がかかる見込みで、1社単独で利用するのはハードルが高く、複数の企業が連携してプロジェクトを組んで利用する事が想定されます。それらの企業が仙台市に進出する機会にもつながり、宮城県もしくは東北の経済が大きく発展する可能性を秘めています。

 海外企業の利用も見込めば、東北経済連合会の試算ですと10年間の経済効果は1兆9000億円。これはものすごい効果です」

 仙台市の担当者は「2016年に仙台で開催した財務大臣会合でも仙台をPRしたが、その後、広がった新型コロナによって道半ばとなっていた。今回もう一度、世界に仙台をPRし、インバウンドや企業誘致の取り組みを加速させたい」と期待感を示していました。