G7仙台科学技術大臣会合は、科学研究の国際協力のあり方など地球規模の課題解決に向けた共同声明を採択し、14日に閉幕しました。

 会場となった仙台市太白区の秋保にあるホテル佐勘の周辺は、12日朝から厳戒態勢が取られました。

 小笠原侑希記者「会場となる秋保地区です。警察官が至る所で巡回していて警戒を強めています」

 主催した内閣府によりますと、各国の代表団や日本政府の関係者など約100人が参加したということです。

 19日に広島で始まるG7主要7カ国首脳会合、関係閣僚会合の開催に全国各地の都市が手を上げる中、仙台市は7年前に続き開催地に選ばれました。

 新型コロナによる地域経済の冷え込みや、アフターコロナに激化する都市間競争を勝ち抜く上でまたとない機会です。

 郡仙台市長「世界をリードする研究を行っている東北大学を中心に学術資源の集積も進んでいる所でして、G7の会合を開いていただくのにはふさわしい街だと自負しております」

 初日の12日夜に行われた歓迎レセプション、アキウナイトでは秋保地区に伝わる伝統芸能でユネスコ無形遺産に選ばれている秋保の田植踊が披露され、郡市長自ら各国の代表団をもてなしました。

 仙台郡市長「科学技術大臣会合の成功と、そしてまたここ仙台秋保を愛していただき、またおいでいただけますことを祈念しまして、それではご唱和ください、乾杯」

 郡市長は15日の記者会見で、各国の代表団に仙台市の印象を残すことができたとした上で、次のように振り返りました。

 郡仙台市長「本市にとっても大きな成功というかアピールにつながったと思っていまして、成功だったなとありがたく思っているところです。今回のこのG7の会合の成功を生かして、まずは防災、科学技術を生かした国際会議や学会の誘致につなげて参りたいと考えております」

 特に今回の会合の共同声明に盛り込まれた、研究データを多くの人が活用できるようにするオープンサイエンスの推進をうたう上で、象徴する施設が青葉山に建設中の次世代放射光施設です。

 各国の代表団は最終日に建設中の施設を視察し、2024年度からの本格運用を見据え産業団体によるハイレベル会合が持たれました。

 高市早苗大臣「このハイレベル会合を通じて、量子分野におけるG7各国の産学官による国際連携の期待など認識が共有されることを期待いたしております」

 3日間の日程を終え、地元秋保の住民からは今回の会合が観光復活の引き金になればと期待感が寄せられました。

 「G7の大臣会合が秋保で開催されることによって、秋保全体が盛り上がって行くというのは良いことだと思います」「秋保の地名を知ってもらうというにはいい機会ではないかなと思いますね」