2022年に警察に届け出があった認知症による行方不明者の数は、全国で1万8000人を超え過去最多となりました。このうち宮城県では135人に上りました。ほとんどの人が見つかる一方で、行方が分からないままや事故などで亡くなる人もいるということです。

 2022年、認知症が原因の行方不明者として全国の警察に届け出のあった人は1万8709人で過去最多を更新しました。10年前の約2倍に増えました。

 このうち宮城県では135人と、10年前より35%増えています。

 認知症の人は、どのようにして行方不明になってしまうのでしょうか。

 仙台市地域包括ケア推進課浅野智美課長「例えば認知症の人が朝起きて、40代50代の時の職場に行こうとして出て行ってしまったり、病院や散歩に行こうとしてどんどん歩いているうちに自分が何の目的で何をしようとしていたのか忘れてしまったりして(帰れなくなる)」

 行方不明になった人をいち早く発見しようと、仙台市は5年前にボランティアに協力してもらうシステムを作りました。

 このシステムでは、認知症の人と行方不明になった人を見つけるボランティア双方に事前に登録してもらい、行方不明になった人が出た時に、ボランティアに不明者の特徴が記されたメールが送られます。

 ボランティアは、不明者と似た人を発見した場合警察に届け、これまで62件の事例がありほとんどの人が見つかっています。

 仙台市では、このシステムの普及を目指す一方で、認知症の人が置かれた状況はそれぞれ違うので、区役所などで行っている家族の集いなどに参加し情報を得てほしいと話します。

 仙台市地域包括ケア推進課浅野智美課長「(認知症の人の)家族同士で出会って、それぞれ家族同士で生活の知恵を共有していくこともとても大事だと思います」