生成AIで作られた画像や映像がクリエーターの著作権を侵害するケースが増えるなか、作品の信頼性や信憑性を確認できる技術の導入が広がっています。
生成AIの登場で誰でも簡単にプロのような作品を作れるようになりました。
この状況に多くのクリエーターが危機感を募らせていて、「作風などをAIに学習されてしまう」との声が上がっています。
このような声を受け、アドビやインテルなどおよそ4500の企業や団体が導入し始めているのが、デジタル上に目に見えない形で作成者の情報を書き込むことができる技術、いわゆるC2PAです。
雪景色の中にたたずむペンギンの画像と誰もいない砂漠の画像。それぞれには、C2PAを利用して作成者などの情報が書き込まれています。この2枚を合わせ1枚の画像にして、さらに氷を付け加えます。
改ざんされた画像は、見た目では誰が、いつ作ったのかを確認することはできません。しかし、C2PAによって画像に透かしのような情報が書き込まれているため、作成者の名前やSNSのアカウントなどのほか、どのように改ざんされたのかを確認することができます。
C2PAが書き込まれた画像を紙に印刷しても作成者の名前などを確認することができます。
ソフトウェアメーカーのアドビは、C2PAによって書き込んだ作成者の情報を画像が印刷された場合でも確認できるアプリを公開しています。
画像が勝手に切り取られてSNSに投稿された際にも情報を確認できます。
アドビ マーケティングマネージャー 轟啓介さん 「この情報『C2PA』があれば、閲覧者の誰もが(デジタルコンテンツに)手が加えられているのか、自分で判断できるようになる。食品の世界では『栄養成分表示』や『賞味期限』が当たり前についている。(デジタルコンテンツでは)まだまだない状態。デジタルコンテンツの中にも持ち込みたい、普及させたいという思い」
アプリでは、C2PAを書き込む際に、生成AIに学習されないように設定することも可能です。
轟啓介さん 「善良なクリエーターを助けたい。業界全体でサポート、保護していくためにもっと色々な取り組みが必要だと考え、まずはこの仕組みやアプリを作っている」