宮城県が進める仙台医療圏4病院の再編構想で、名取市の県立精神医療センターを富谷市へ移す計画への反対が収まりません。事態を打開しようと、村井知事は名取市に新たに精神医療を担う民間病院を誘致する考えを示しました。

 県は、老朽化した精神医療センターを東北労災病院と合築し、富谷市へ移す考えです。一方、入院などのできる精神医療の拠点が名取市から無くなることに当事者や識者が反発しています。

 この問題を話し合う31日夜の審議会に村井知事が出席し「私なりの解決策」として名取市に外来と入院機能を備えた精神科の新たな病院を誘致する考えを示しました。

 宮城県に精神科病院を持つ法人を対象に公募する方針で、県の土地を無償で貸し最大120床の病院を開設したいとしています。

 審議会は3時間を超えて紛糾し、委員からは「現実的に考えて手を挙げる病院があるのか」など実現性を疑問視する声が出ました。

 富田博秋会長「この案(名取市の新病院公募)での富谷市移転に反対の方は挙手を(委員11人が挙手)」

 一方、村井知事は。
 村井知事「これを止めることは当然、何の根拠もありませんからできない。私がやったことに対して止めることができるのは、県議会だけ」

 審議会終了後、知事は次のように述べました。
 村井知事「これ以上いくら話し合っても、おそらくずっと平行線になるだろうと思いますので、まずは私どもの今考えている案で、募集要項等をしっかり作って募集していきたい」

 県は、数日中に新病院の募集要項をまとめる考えです。
 村井知事の判断について県精神科病院協会は、本来県が責任をもって担うべき役割を民間に丸投げするものである。富谷市への移転だけでなく、この提案にも反対するとの緊急声明を出しています。