6日の宮城県は、前線の影響で大気の状態が不安定となり、大崎市鹿島台や石巻では24時間の降水量が平年の9月1カ月分を超えるなど、大雨となりました。大雨の影響で名取市や石巻市、川崎町や蔵王町の一部地域には避難指示が出されました。大気の不安定な状態は6日夜遅くにかけて続く見込みで、大雨による土砂災害などに厳重な警戒が必要です。

 前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で、6日の宮城県は大気の状態が不安定になり大雨となった所がありました。

 午後5時30分までの24時間に降った雨の量は大崎市鹿島台で138.5ミリ、石巻で159ミリとなっていて、平年9月の1カ月分の降水量よりも多くなりました。

 仙台でも平年9月の1カ月分の約そ9割に相当する141ミリとなりました。

 佐藤寿明カメラマン「仙台市太白区郡山です。道路が冠水し動けなくなっている車がいます」

 冠水した道路の真ん中でハザードランプを点滅させ停車している白い車、その横を別の車が大きな水しぶきを上げて通過して行きます。運転していた男性によりますと、車内に水が入ったことが原因とみられる症状で走行中に急停止したということで、レッカー車の到着を待っていました。

 小笠原侑希記者「マンホールからあふれた水が、歩道のブロックを押し上げご覧のような状態になっています」

 仙台市青葉区本町の県庁近くの歩道です。

マンホールから勢いよくあふれ出した雨水がブロックを押し上げてしまったため、市の担当者が復旧作業を行っていました。

 雨の影響は建物の中でも。仙台市役所では排水溝が詰まった影響で3階の廊下が浸水してしまい、職員がちり取りやバケツを使って水を出す作業を行うなどの対応に当たりました。

 坪谷歩香記者「5日の地下通路の冠水を受け、止水版が設置され通行止めとなっています」

 5日に激しい雨に見舞われて冠水した仙台駅の地下通路では、地下への入口には止水版を設置して通行止にするなどの対応が取られ、水の侵入を防いでいました。

 仙台駅前では運転を見合わせている仙石線の代わりにバスで石巻に向かおうと、雨の降る中傘を差した数十人が列を作りました。

 「仕事だったんですけど、電車が運転見合わせで会社の方が早く帰った方がいいよと言ってくださったのでそれで来てみたんですけど、結構並んでいてたぶん3時のには乗れないんじゃないかと」

 宮城県は各地で道路が冠水するなどの被害が相次ぎました。この大雨はなぜもらたされたのでしょうか。

 6日朝から激しい雨が降った宮城県では、最大1時間雨量は志津川で67.5ミリ、鹿島台で59ミリと観測史上最も多い雨量を観測しました。

 レーダーで観測された雨雲の様子を見てみると非常に激しい雨を示す赤い表示が、宮城県では午前6時ごろから確認できます。

 熊谷琴葉気象予報士「午前9時ごろの仙台市の様子です。朝から激しい雨が降りました。6日は日本海にある寒気を伴った気圧の谷が予想より早く進んできたことで、昼過ぎから大雨の予想でしたが朝から激しく降りました。気圧の谷が予想より深まったことで大気の状態が不安定となり、各地に大雨をもたらしました。

 6日は寒冷前線が南下してきたことで雨が降りました。元台風12号が残していた暖かく湿った空気など、降ると大雨になる非常に暖かく湿った空気が流れ込み、更に日本海には寒気を伴った気圧の谷が近づいてきたことで、これらの条件が重なり大気の状態が不安定になりました。そして激しい雨が降ったとみられます」

 大気が不安定な状態は6日夜遅くまで続く見込みで、仙台管区気象台は土砂災害や低い土地の浸水、川の増水や氾濫に厳重に警戒するよう呼び掛けています。