宮城県気仙沼市で、旬のマダラが深刻な不漁となっていて2023年度の水揚げ量は過去最低となる可能性も出ています。
マダラは、12月から2月ごろまで産卵のため三陸沖に近づくことから今の時期が漁の最盛期となりますが、17日朝の気仙沼市魚市場への水揚げはわずか190キロでした。
12月以降の水揚げ量は約2トンと、前の年の同じ時期より9割以上少ない状況となっています。
水揚げ量の下落は価格にも影響していて、1キロ当たりの平均価格は前の年の1月中旬は177円でしたが、現在は384円と2倍以上の高値となっています。
仲買人「箱だと5ケースとか6ケースとか1店舗に持っていくが、今はない。出荷もやっているが数が無くて送れない」
不漁の原因について、気仙沼水産試験場は海水温の上昇が大きな影響を与えていると考えています。
気仙沼水産試験場佐伯光広総括研究員「高水温の影響により、年々マダラの稚魚の生存率がどんどん低下している。水温が高い黒潮形成の影響が高い。これが深さ200メートルに及んでいるので、マダラの生息分布水深までいっている。それによってマダラの分布自体が北の方に移動してしまっていることが考えられる」
気仙沼漁協では、2023年度の水揚げは多くても10トン程度と見込んでいて、過去最低だった2018年度の12トンを下回る可能性もあるということです。