ハクチョウに小型カメラとGPS端末を装着した生態調査が、国内有数の渡り鳥の越冬地、宮城県の伊豆沼で行われています。ほぼリアルタイムで画像を確認できる調査は、国内で初めてです。
調査は、県伊豆沼・内沼環境保全財団と中国の送信機メーカーなどによる国際共同プロジェクトです。
財団は2023年12月、重さ130グラムの観測用首輪をオオハクチョウ10羽に装着しました。首輪には小型カメラとGPS端末が取り付けられていて1日に4回、撮影した画像と位置情報を確認することができます。
県伊豆沼・内沼環境保全財団嶋田哲郎研究室長「北海道の足寄湖で休んでいる風景です。すなわちここもねぐらになっていると考えられます。どういう環境をねぐらにしているとか、どういう場所で食べているとか画像を通してよく理解できます」
財団によりますとGPSを使った調査は過去にも行われていましたが、ほぼリアルタイムで画像を確認できる調査は国内で初めてということです。
これまで送られてきた画像には岩手県奥州市の上空を飛行する様子や、伊豆沼周辺で休憩したり水田で餌をついばんだりする様子が映し出されていました。
県伊豆沼・内沼環境保全財団嶋田哲郎研究室長「食べてる時、寝ている時、ねぐらといった行動はもちろん分かりますけど、それに位置情報が組み合わさってどうしてそういう行動を起こしたかという理由が、画像を通して見えてくる場合があるんですね。オオハクチョウは行くのがなかなか大変な場所で繁殖していますので、こういった形で画像で見ることができれば画期的かなと思う」
財団によりますと、暖冬の影響でハクチョウの北帰行は例年より1カ月ほど早く始まっていて、20日までにカメラを取り付けた10羽のハクチョウは全て伊豆沼を飛び立ったということです。