批判を受けて馬が駆け上がる「壁」がなくなった「上げ馬神事」。今年はさらになくなったものがありました。
三重県桑名市の多度大社で、この時期恒例の上げ馬神事が行われました。
馬が坂を上り切ると上がる歓声。ただ、見物客からは、こんな声が…。
見物客 「前に来た時より人が少なくなっているなと感じます」 「やっぱり少し寂しいけど。急になんか活気がね…」
約700年の歴史をもつとされるこの伝統行事は、急な坂を駆け上がった先にある高さ約2メートルの土の壁を乗り越えた回数で農作物の作柄などを占ってきました。
壁を乗り越えられるかが醍醐(だいご)味の一つとなっていました。
ところがおととし、この神事で脚を骨折した馬1頭が殺処分されたことなどを受け、動物虐待との批判が強まったことから主催者側は去年、神事を象徴する土の壁を撤去し、坂道を緩やかにするなどの対策を実施。今年はさらにむちの使用を禁止し、馬の脚への負担を減らすために砂を敷き詰めるなど対策を強化しました。
壁を撤去して2回目の神事。
見物客 「(Q.壁がなくても十分、迫力ある?)そうですね。子どもたちは十分、楽しませてもらっています」 「時代の流れというのがやっぱりあるので、上手に折り合いをつけて続けていくことが大事だと思うので。やっぱり伝統行事なので」
時代の流れとともに伝統行事がその形を変えています。