政府は16日、当初の予定より2カ月遅れて年金改革関連法案を閣議決定しました。就職氷河期世代の基礎年金の底上げが見送られ、野党が一斉に反発しています。

■年金改革関連法案 氷河期支援は盛り込まず

 身を守るといわれる笠をかぶり笑顔をみせる石破茂総理大臣。果たして私たちの年金は守られるのでしょうか。

 16日、当初の想定より2カ月遅れで閣議決定され、国会に提出された年金改革法案。パートなどで働く人が厚生年金に加入しやすくなるよう、いわゆる「106万円の壁」と呼ばれる賃金要件の撤廃などが盛り込まれました。

福岡資麿厚労大臣 「将来の受給者の給付も充実させながら、現在の受給者の年金の増額措置も盛り込んでいる。この国会において、速やかに審議をいただくようお願いしたい」

 一方で、就職氷河期世代への対策とされる、厚生年金の積立金を活用することで将来の基礎年金を底上げする案は盛り込まれませんでした。

■基礎年金の底上げを強く求める野党

 これに対し、野党からは批判の声が上がっています。

日本維新の会 前原誠司共同代表 「まさに基礎年金というものの引き上げをしっかりやらなければならないにもかかわらず、そこが抜け落ちているということについては、大きな問題点ではないか」

立憲民主党 野田佳彦代表 「基礎年金の底上げの部分が抜けているということで、あんこが入っていないあんぱん、まさにそういう内容なので、なぜこういうことになったのかを含め厳しく指摘をしながらも、あんこが入るような修正を我々は求めていきたい」

 そもそも法案を通す気があるのかと疑問を呈する声も上がっています。

国民民主党 榛葉賀津也幹事長 「本当に衆議院通して参議院までやりきるのか、もしくは年金法案出さないとまた非難をされるから、とりあえず出しておいて、中身はいわゆるあんこは後でと言ったら、これ何のための改革法案なのか。きょうまで苦しんできて、歯を食いしばってこの国を支え家族を支え地域を支え、老後に不安を持っている就職氷河期の方々の年金の救済にどれだけなるのか」

 基礎年金の底上げを強く求める野党。少数与党の石破政権は法案を成立させることができるのでしょうか。

ジャーナリスト 後藤謙次氏 「きょう、この段階で(法案を)出さないと、出さないリスクの方が大きくて、近づく参院選にとって非常にマイナスだと。いわばリスク回避のための提出。その一方で少数与党なので、もともと原案が通るとは考えていない。むしろ野党側との妥協する余地を作っておくということが、成立をさせるためにはその方が急がば回れということを考えた」

(「グッド!モーニング」2025年5月17日放送分より)