韓国で新大統領が誕生しました。半年間トップが不在のなかで韓国を取り巻く環境も大きく変わりました。

李在明新大統領 「私は市民、経済、安全保障、平和、民主主義など、内乱で破壊され失われたものすべてを取り戻し、成長し、発展し続ける社会を創造する」

 韓国の新たな大統領となったのは最大野党「共に民主党」の前代表・李在明(イ・ジェミョン)氏。与党「国民の力」の金文洙(キム・ムンス)候補との事実上の一騎打ちを制しました。

 4月の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領罷免(ひめん)に伴い、急きょ実施された今回の大統領選挙。主な争点は去年12月の「非常戒厳」の評価や停滞する経済への対策となりましたが…。

 その一方、日本で大きな関心となっているのが日韓関係です。尹前大統領は日本に理解的な姿勢を示し、日韓の協力関係強化を進めていましたが、李在明政権誕生については一部のメディアが「反日回帰」などと報じています

李在明氏 「日本の核汚染水放出は、第2の太平洋戦争として記録されるだろう」

 おおとし、福島第一原発の処理水放出を激しく非難した李在民氏。実は、日本を「敵性国家」と呼ぶなど、かつての発言から対日強硬派として知られていました。

 しかし、今回の選挙戦では…。

李在明氏 「私が日本に敵対的という先入観がある。私は文化交流や韓日協力の分野に対しては大変、積極的で開放的です」

 反日なのか、親日なのか…。ネット上ではこんな声も。

X(旧ツイッター)への投稿 「何かというと『反日』『親日』の枠組みで語るのは短絡的では?」 「そもそも韓国の選挙で『親日』か『反日』かは大した争点ではない」

 一方、石破総理は李在明政権誕生を受け、積極的な関係構築に意欲を示しました。

石破総理大臣 「(李在明氏は)選挙中に日本は大切なパートナーだ、私は日本人が大好きだということも言っておられるわけで、我々として韓国と胸襟を開いて積極的な交流をすることによって、よりそのつながりというものは強いものになっていく」