認知症について理解を広めようと、認知症の当事者が自身の体験を話すイベントが宮城県庁で開催されました。講演した人がカラオケも披露する、にぎやかな会になりました。

 イベントでは、認知症の当事者で県が認知症の正しい理解を広めてもらおうと委嘱した応援大使の4人が体験を話しました。

 栗原市で暮らす元小学校長の遠藤実さんは、妻の麻由美さんと一緒に講演しました。

 60歳で定年退職した2カ月後に、若年性のアルツハイマー型認知症と診断された遠藤さん。最初は落ち込んだものの、妻に励まされ地域の活動に参加するなど前向きに生きるようになったといいます。

 遠藤実さん「(周囲に)やってもらうこともあるんだけど、逆にやってあげたいことを探すということが、自分の中で芽生えてきた。本当にカバーしてくれたのが、ここにいる妻」

 明るく認知症の日々を伝えた遠藤さん。最後には大好きなカラオケを披露し、温かい拍手が送られました。

 遠藤実さん「(認知症応援大使として)できることを、もっともっと伝えていきたいと思っている」

 遠藤麻由美さん「(応援大使になったことが)生きる力になっているなと感じます。希望があふれてきて、逆に応援されているなと伝わってくる」