グループ補助金をめぐり、業者の依頼で口利きを行い報酬を受け取った罪に問われた元宮城県議会議員の仁田和廣被告(74)に対し、仙台地裁は懲役2年執行猶予3年の判決を言い渡しました。
高橋直希記者「仙台地裁前です。仁田被告が姿を現しました。これから判決が言い渡されます」
記者「仁田被告、いよいよ判決ですが今のお気持ちをお願いします」
仁田被告「…」
仁田被告は、2021年から翌年にかけて福島県沖地震で被災した企業への補助金をめぐり、水産加工会社の依頼で宮城県県職員に働き掛けて見返りに現金50万円を受け取ったとして、あっせん利得処罰法違反の罪に問われています。
水産加工会社の元社長は、大型冷蔵庫を購入する目的で被害を誇張して補助金を申請しましたが、申請額通り受給できないと分かり仁田被告に相談したとされています。
仁田和廣被告「犯罪をやった覚えもないし一切無罪だと思っているし」
逮捕直後、取材に応じた仁田被告です。
仁田和廣被告「政策研究会の会費ですから。6年間も同じ額を収めていて、これが1年だけ賄賂だって言われる話はどこにもないでしょ」
仁田被告は「受け取った現金は政治献金だった」として一貫して無罪を主張していました。
一方、検察側は「経費掛かるから頼むね、などと水産加工会社に見返りを要求していた」として懲役2年を求刑しました。
10日に仙台地裁で開かれた判決公判で、須田雄一裁判長は「『本会議で問題にして上司を追及する』などと強く働き掛けて補助金の審査に影響を与えた」と指摘しました。
更に「働き掛けの直後に現金を依頼するなど、見返りや謝礼として現金を受け取ったと推認できる」として懲役2年執行猶予3年の判決を言い渡しました。
判決後、仁田被告は「ノーコメント」と話し、裁判所を去りました。