宮城県で27人が犠牲になった宮城県沖地震から6月12日で47年です。建物やブロック塀の倒壊が相次いだ被害を教訓に、地震の揺れから身を守る方法です。
47年前、大きな揺れが宮城県を襲った宮城県沖地震が発生しました。住宅やブロック塀の倒壊による被害が相次ぎ、住宅の耐震基準が見直されるきっかけとなりました。
専門家「地震の時に家具は必ず倒れます。今地震が起こったら何が倒れてくるかな、何が落ちてくるかなということを家族と一緒に話し合っていただいて、できることから対策を」
1978年6月12日に発生した宮城県沖地震は、マグニチュード7.4で仙台市などで震度5を観測し1万人以上が負傷、27人が犠牲になりました。
市民「足が切れちゃったの。マンションの14階建てなんですよね。ガラスっていうガラスがバーッてきちゃって、とっさに子どもをかばっちゃったので足切れちゃって縫っちゃって動けないのね」「家の中の食器戸棚が倒れまして、だいぶ食器が壊れたり本箱や家具類がみんな倒れましたけども、比較的我が家は被害が少なかったほうだと思います」
中でも、住宅やブロック塀の倒壊による被害が大きく、宮城県沖地震をきっかけに住宅の耐震基準が見直されました。大きな地震が実際に起きたら、私たちの家の中はどうなるのか実際に体験しました。
井口亜美アナウンサー「宮城県沖地震と同じ海溝型地震を体験してみます。結構横に大きく揺れますね。結構怖いです。何かにつかまっていないと身の危険を感じます。棚から物が落ちたりテーブルが大きく揺れたりしています」
震度4以上の揺れでは、固定されていない家具が動いたり、倒れたりする危険性があります。
井口亜美アナウンサー「実際に地震が起きる前に、命や家を守るために何を備えておくべきなのか考えていきましょう」
事前にどのような備えができるのか。対策ができていない家を、防災のプロと一緒にチェックしました。玄関に入ってすぐに。
防災アドバイザー早坂政人さん「玄関に物をたくさん置いては良くありません。玄関はセーフティゾーンになりますので、物はできるだけ少なくしておきましょう」
落ちてこない。倒れてこない。安全な場所を家の中に少なくとも1カ所は確保しておくことが大切です。
続いては大きな家具や家電があるリビングです。
防災アドバイザー早坂政人さん「大きなテレビは、地震の時に倒れてくる可能性があります。後ろで1カ所固定されていますが、もう1つ耐震マットをつけることで揺れを抑えることができます」
本棚は、突っ張り棒や安定板などを2つ以上組み合わせて設置すれば強度を上げることができます。食器棚にも、扉が開かないようにする器具を取り付け、食器類の飛び出しを防ぐ対策をしましょう。
見落としがちなのがブレーカーの対策です。揺れを感知して自動で電源を止める感電ブレーカーを設置すると、通電火災のリスクを大幅に減らせます。
就寝スペースの対策も重要です。
防災アドバイザー早坂政人さん「ベッドの上のエアコンが落ちてくる可能性が。エアコンの位置をずらすことはできないので、ベッドの場所を変えて部屋のレイアウトを変えましょう」
枕元にはライトや、スリッパなどを置いておくと安心です。割れたガラスなどから足を守ることができます。簡単にできる工夫もあります。
防災アドバイザー早坂政人さん「できるだけ重いものは下、軽いものは上に置きましょう。
本は下の段に置くといいと思います。倒れづらくなる安定性が増すんですね。これならすぐに実践できます」
部屋の隅々まで見てもらい、危険な箇所をしっかりと改善しました。ちなみに使ったグッズはほとんどが100円ショップで買った物で、手軽に対策できます。
防災アドバイザー早坂政人さん「地震の時、家具は必ず倒れます。まずは今地震が起こったら何が倒れてくるかな、何が落ちてくるかなというのを家族と一緒に話し合っていただいて、できることから対策を進めてほしいと思います」
東京都がある地震のケースを想定して、家具転倒対策の実施が死者数とどう関係するか示しています。2020年における転倒対策の実施率は57.3%で、これによって想定される死者数は239人です。
しかし、転倒対策の実施率が100%になると想定される死者数は44人にまで減少すると想定されています。約8割も死者数を減少させることができます。
大切な命や家を守るために、改めて家庭での揺れ対策を見直してみてください。