参議院選挙が公示されて最初の週末。各党の動きを追いました。

■新興勢力「台風の目」に急浮上

 JR宇都宮駅前に集まった多くの人。待っていたのは、参議院選挙の「台風の目」となりつつある参政党の神谷宗幣代表です。

「きょうで10(都)県目です。あと37(道府)県ね」

 中には、手作りのうちわで応援する若い女性もいました。

高校生(17) 「17歳です。SNSで政治の話が流れてくるようになったんですけど、参政党の公約内容が良くて」

 SNSを中心に支持拡大を狙う参政党。対する与党の戦略は…。

自民党 小泉進次郎農林水産大臣 「我々も変わらなきゃいけない。反省しなきゃいけない。だけど、これだけは言えます。少なくとも我々が一番マシです」

 自民党の総裁である石破茂総理大臣に代わり、小泉農水大臣や小林鷹之元経済安保大臣ら若手のエースが各地で応援に汗をかきます。

 人気者に頼るのは、連立を組む公明党も同じです。

公明党 山口那津男元代表 「こんにちは!なっちゃんです」

 聴衆の掛け声に笑顔で応えるのは、山口元代表。すでに政界引退を表明していますが、このところの選挙で「負け」が続いている公明党にとって、8期15年間代表を務めた山口元代表の知名度は絶大です。

 一方、演説だけではなく、都内の商店街を練り歩いていたのは、支持率を回復したい国民民主党の玉木雄一郎代表です。こうした近い距離感で巻き返しとなるのでしょうか。

■野党の演説場所「戦略に差」

 他の野党は、演説する場所に戦略の違いがありました。

立憲民主党 野田佳彦代表 「大分県で勝つことができれば、九州の他の一人区もドミノ倒しのように立憲が力をつけていける」

 参院選の公示日から立て続けに、九州の5つの県、宮崎・大分・熊本・佐賀・鹿児島でマイクを握る立憲民主党の野田代表。

 実は、九州は前回3年前の参院選で自民党に全敗した地域です。今回は、立憲民主党系の候補に主だった野党が一本化していて、大逆転を狙います。

 対照的に候補者が乱立する複数人区で底上げを図るのが、日本維新の会です。

日本維新の会 吉村洋文代表 「京都は大変なんだ本当に、自民党と共産党が強いんです」

 この他、共産党、れいわ新選組、社民党、日本保守党も複数人区を中心に足を運んで、党勢拡大を目指しています。

■「外国人政策」各党ターゲット

 こうしたなか、各党がアピールする政策にも変化がありました。

参政 神谷代表 「安い労働力だからといって、野放図に外国人を入れていたら、日本人の賃金は上がらない」

 「日本人ファースト」を掲げて、都議選で躍進した参政党の影響もあるのでしょうか、外国人への政策に照準を合わせる政党が増えています。

国民 玉木代表 「海外からのマネーの流入が、首都圏、特に東京における住宅価格の高騰を招いている」

 国民民主党は、居住を目的としない住宅の取得に課税する「空室税」の導入検討を追加の公約に発表しました。

 他の野党も、外国人に対する規制の強化を訴えます。

日本保守党 百田尚樹代表 「生活の場を、お金を持っている中国人が投機物件のように買いまくって、これにどんどん値上がっている」

れいわ新選組 山本太郎代表 「低賃金外国人労働者の流入。それによって労働者は置き換えが始まっている」

 維新は外国人旅行者らへの「消費税免税制度」の廃止を主張しました。

維新 吉村代表 「消費税は(日本)国民も払ってるから『負担してください』と、これやるだけで全国の高校の授業料無償化なんかできる」

 こうした動きを「排外主義」だと反対し、共生できる社会づくりを訴える党もあります。

立憲 野田代表 「多文化共生社会を作っていくというのは目指すべき方向」

日本共産党 田村智子委員長 「排外主義の台頭を許さない選挙に」

社民党 福島瑞穂党首 「戦争にも差別排外主義にも反対です」

 与党も外国人の受け入れには前向きですが、「違法ゼロ」を訴えます。

公明党 西田実仁幹事長 「ルールに基づく受入れ、そして、それを犯した違反者に対しましては、厳正に対応する」

■規制か共生か 総理発言に物議

 そんななか、石破総理のこの発言が物議を醸しています。

「しち面倒くさい日本語、習慣を、日本政府の負担によってでも習得してもらい」

 日本語や日本の文化を面倒だと表現し、外国人の日本語習得に政府負担も必要だと示唆した発言に、SNSなどで疑問の声が相次いでいます。

 参院選の投開票日まで、あと2週間。今後どのような展開になっていくのでしょうか。

(「グッド!モーニング」2025年7月7日放送分より)