アメリカのトランプ大統領がロシアに対して突きつけたウクライナとの停戦合意期限を前に、プーチン大統領は譲歩しない構えを強調しました。

 ロイター通信などによりますと、ロシアのプーチン大統領は1日、ベラルーシのルカシェンコ大統領との会談の際、「平和のためには議論を行う必要がある」と話し、ロシア側はウクライナとの交渉を望んでいると主張しました。

 その一方で、「すべての失望は過度の期待から生じる」などとも述べ、ウクライナとの停戦合意の実現は容易ではないとの見方を示しました。

 「10日以内に停戦に合意しなければロシアに新たな制裁を科す」とするトランプ大統領からの「最後通牒」に対する回答だとみられます。

 また、プーチン氏は、「現在の戦況が自国に有利に働いている」とし、領土に加え、ウクライナのNATO(北大西洋条約機構)非加盟など従来からロシアが提示してきた停戦への条件に関して譲歩しない構えを強調しました。

 トランプ大統領は近く、側近であるウィトコフ氏をロシアに派遣する見通しです。

 クレムリンに近い関係者は、「ロシア側はウィトコフ氏を通じて、ウクライナとの4回目の交渉をする約束と引き換えに制裁導入期限の延長や可能な限りの緩和を模索するだろう」と指摘しています。