宮城県名取市の県立がんセンターで2023年8月、抗がん剤の過剰投与による医療ミスで患者が死亡していたことが分かりました。

 佐々木治病院長「ご遺族の皆様に多大なご心痛をお掛けしましたこと、誠に申し訳ありませんでした」

 がんセンターによりますと2023年7月、骨髄のがんと診断された高齢の患者に抗がん剤を投薬する際、医師が誤って5倍の処方をしたということです。

 患者は翌月に副作用で敗血症になり医療過誤が発覚し、入院して治療を受けましたが敗血症性ショックと合併症で亡くなりました。 医師が通常の投薬量を超えた処方をしたにもかかわらず、電子カルテのシステムでは警告されず調剤薬局なども医師に確認をしなかったということです。

 がんセンターと調剤薬局は遺族に謝罪し、6月に示談が成立しました。

 佐々木治病院長「今回の事故には大きな社会的責任を感じており、今後このようなことが二度と起こらないよう、徹底した再発防止策を講じてまいることをお誓いします」

 がんセンターでは、電子カルテのシステムを既に改修するなどして再発防止に努めているということです。