スーパーでのコメの平均価格が公表され、前の週に比べて195円上昇しました。過去3年で最大の上げ幅となっています。

■待ちわびた新米…値段は?

 新米の店頭価格は、いくらになっているのでしょうか。18日、千葉県内のスーパーを取材すると…16日に入荷したという千葉県産の早場米「ふさおとめ」は、5キロで税抜き3980円。税込みでは4298円と、4000円台前半です。

おっ母さん食品館 柏の葉キャンパス店 侭田由美店長 「去年は3000円台前半~2000円台後半で販売していたが、今年は3980円(税抜き)と、去年より高い」

 18日午後に発表された全国のスーパーでのコメの平均価格は、5キロあたり税込で3737円です。前の週から195円値上がりしました。過去3年で最大の値上げ幅となっています。

 1年前までさかのぼると…新米シーズンの去年8月は平均価格は5キロ2800円を下回っていました。今は、去年よりも900円以上も値上がりしています。

 精米店では、この時期の新米の価格がいまだかつてないほど高騰しています。

農家産直米すえひろ 荒金一仁代表 「創業以来、最高値。こんなに高くなったことはない」

 新米として農家から入荷した高知県産の「よさ恋美人」は、5キロで7800円。なぜ8000円近くまで高騰しているのでしょうか。

農家産直米すえひろ 荒金一仁代表 「JAの概算金といって『この金額くらいで最低取引する』という表示が令和6年(2024年産)の当店の“売値”くらいだった」

 JAが農家に支払う前払い金が、去年よりも高騰しているといいます。

 大阪市のスーパーでも、宮崎県産や高知県産のコシヒカリなど、新米の価格が軒並み高騰しています。

フレッシュマーケットアオイ 内田寿仁社長 「5キロで税別で4500円前後。去年新米を入荷した頃はコメがなくなってしまったコメ騒動の前だったので、その時の価格と比較しても1.8倍くらいの価格になっている。非常に高い。今のところまだ数が少ないので、取り合いになっているところで値段が高騰しているのではないか」

 都内の精米店でも、新米の価格に異変が…。

小池精米店 小池理雄代表 「これが今ちょうど売っているコメ。5キロで5500円」

 今月上旬に入荷した佐賀県産のコシヒカリは5キロ5500円で販売。

小池精米店 小池理雄代表 「新米スタートからこんなに高いのは初めて。(去年より)1.5~1.6倍高い」

 新米の価格が高騰する背景には、今年の記録的な猛暑と水不足がありました。

K&Yファーム 山野邊篤代表 「千葉は雨が降らなかったせいもあり、いつもより豊作ではない。コメが水不足で白くなると、(検査で)はじかれて2等米、3等米になる。昔に比べると(気温が)10℃くらい高くなっている。自分が(農業を)始めた頃は30℃が暑い。今は普通に40℃近くなる。仕事をしていても大変」

■今後新米の価格どうなる?

 今後、新米の価格はどうなるのでしょうか。専門家は…。

宇都宮大学農学部 松平尚也助教 「新米の生産量、6月時点では前年比で8%・約56万t増産の見通しで、安定して収穫ができれば3000円台後半に落ち着くと予測」

 ただ、価格が高止まりする可能性もあるとみています。

宇都宮大学 農学部 松平尚也助教 「渇水と水不足の全国的な影響が出ている状況で、これがどこまで今年2025年産のコメに影響してくるか不透明な状況。(仮に)本格的に不作になれば、(5キロ)3000円台後半から4000円台に高止まりする可能性」