スポーツパーク構想をめぐり町民の意見が割れている宮城県大郷町で町長選挙が告示され、現職と前議長の2人が立候補を届け出ました。

 立候補を届け出たのは、届け出順に新人で前議長の石川良彦候補と、現職で6期目を目指す田中学候補です。

 大郷町では、サッカー場や宿泊施設などを整備するスポーツパーク構想をめぐり、田中町長と議会が激しく対立していて、今回の選挙戦でも争点となります。

 石川良彦候補「しっかりと具体的な計画、あるいは企業としての採算性、そして町としてもこのことが町のために本当になるのか」

 田中学候補「世の中の若い人たちが大郷町においでになる場所をつくるという事業でございます」

 立候補の届け出は午後5時に締め切られ、他に立候補者は無く現職と前議長の一騎打ちとなりました。

 大郷町の7月20日現在の有権者数は6327人となっています。

 今回の選挙の争点となっているスポーツパーク構想と、2人の候補それぞれの訴えをまとめました。

 大郷町のスポーツパーク構想は、2019年の台風19号で被災した粕川地区の農地に、サッカー場12面や合宿に対応できる宿泊施設などを整備します。観光資源が乏しい大郷町に多くの人が訪れるきっかけを作り、将来的には定住してもらえる人を増やそうと町が進めてきました。

 田中学大郷町長「何もしないでこのまま現状維持では、いずれ衰退することは間違いございません」

 議会は、町の進め方が強引だと猛反発します。

 議員「きょう資料出されてきょう精査しろなんてそんな話無いでしょ」「この事業もう少し時間をかけてやるべきかと思うんですがいかがでしょうか」

 町議会の結論は、構想に反対。用地取得費など関連予算案が2度にわたり否決され構想は暗礁に乗り上げました。

 これに対し、町民の有志が町議会の解散を問う署名活動を始めます。

 有権者の3分の1以上の署名が集まったとして住民投票が告示されましたが、署名の一部が無効と裁判所に判断され。住民投票は行われないままになっています。

 事業費の試算も当初の2億7000万円から3.3倍の8億8000万円ほどに膨らんでいます。

 その是非をめぐり混乱が続くスポーツパーク構想について、町民からは様々な声が聞かれます。

 町民「私は賛成です。町の活性化の起爆剤にでもなればいいんですけどね。交流人口もですけど人口が増えるとかですね、人が来ることによって経済効果もあると思うのでそういう期待はあります」「大郷町のこれからの財政どうなのかなって。それを作ってどうなのかなというところが考えるところがあります。どっちとも言えないね」「今、子どもたちが少ないでしょ。あんまり賛成ではない。スーパーとかそういうのがあってほしいんですよ」

 第一声で、2人の候補はスポーツパーク構想についてそれぞれの主張を訴えました。

 石川良彦候補「今の時代に合った、あるいはこれからのまちづくり、社会に合ったそういったまちづくりに切り替えるべく、各種の事業についてもしっかり精査させていただき、より皆さんにとって効果的なそして町にとって効率的な運営、それが皆さんの望む町づくりにつながるものだと思います」

 田中学候補「この過疎から脱却するための何かをやらなければならない、ということで模索をしてまいりましたが、その何かが見つかりました見つかりました。これ(SSP構想)をやらなければ大郷町のあすの夜明けはない」

 大郷町長選挙は、31日に投票が行われ即日開票されます。