JR仙台駅前にある旧さくら野百貨店が入っていたビルについて、一帯の7割を所有するディスカウント店ドン・キホーテの運営会社が、再開発を白紙に戻しました。
旧さくら野ビルは2017年2月に閉店しましたが、その後一帯の土地の7割ほどをディスカウント店ドン・キホーテの運営会社が取得していて、建物を解体し新しいビルを建設する計画でした。
11月からは本格的な解体工事が始まっていましたが、運営会社が再開発を断念したことが分かりました。建築資材費や人件費の高騰が重なったことなどがということです。
一帯の土地は、他にも複数の地権者がいてこれまで再開発への合意形成が難航していました。
七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「プロジェクト着手から建築コストが平均で3割、場合によってはそれ以上に上がっている。宮城県では人口減少も進んでいる。個人消費が弱いということがあって、建築費を賄うだけの収益を上げ続けることは難しいという判断があるのではないか」
要因として指摘されたのは、建設コストの増加と市の経済的なポテンシャルの低下です。更にJR仙台駅前の一等地が開発されないまま放置されているという景観の悪さが、衰退都市という印象を強め仙台市への投資を躊躇させるといった更なる悪循環をもたらす可能性も指摘します。
この先の見えない状況を打開するために田口さんが強調したのは、仙台らしさでした。
七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「仙台でなければない仙台らしさということを追求して差別化しないと、都市間競争に勝っていくことはできない。仙台でもコンテンツ産業といったもののポテンシャル、可能性というものは指摘されていますので全国、全世界から人を呼べる施設を作っても面白いのではないかなと思います」