25日に行われた山上徹也被告(45)への被告人質問で、山上被告は安倍晋三元総理大臣が教団側に送ったビデオメッセージで「教団が社会的に認められてしまい非常に悔しく、絶望と危機感があった」と動機について語りました。

■「教団式」兄の葬儀に不信感

 安倍元総理を銃撃し、殺害した罪などに問われている山上被告。25日、奈良地裁で2回目の被告人質問が行われました。

 2015年に自殺した兄の葬儀に旧統一教会の関係者が訪れ、教団への不信感が増したといいます。

「兄は最後までずっと母の献金に不満を持っていて、『統一教会型のなんとか式をするならやめてくれ、帰ってくれ』と言ったら『分かりました』と言ったんですが、全く無視をして始めたのでびっくりして、始まってしまったらつまみ出すしかなかったんですが棺の前でするのもはばかられた。何てことをするのかなと」

 2018年には教団トップの襲撃を企てましたが、断念したことを明かしました。

「その人を襲撃しようと考えて、駐車場のあたりから会場に向かっていくところにナイフと催涙スプレーを持って待っていましたが、いざ教祖の娘が何人かのボディーガードのような人と歩いて行くのを見た時に、ちゅうちょしてしまったというか、何もできずに見送りました」

 銃を作るきっかけは教団トップへの襲撃失敗にあったと話しました。

「教団トップをナイフで襲撃できなかった。対象と距離をとれば、心理的負担がなく、軍隊でも発砲できたり、距離をとらないと自分にはとても実行できないと思ったので」

■安倍氏メッセージ「絶望と危機感」

 また、安倍氏が旧統一教会の関連団体に送った、ビデオメッセージを見た時のことについて問われると。

「現役の総理でなくなった後に出た以上、これから出るのを拒む理由がないというか。非常に長い期間務めた総理ですから、どんどん社会的に認められてしまう。本来の姿の反対として認知されてしまうと思った」

 弁護士が感情を掘り下げる質問をすると、次のように話しました。

「被害を被っている側からすると、非常に悔しいというか受け入れられない、絶望と危機感かと思います。安倍元首相に対してではないですが、怒りというか、それは困るという感情でしょうか」

 判決は来年1月21日に言い渡される予定で、今後も被告人質問などが続く見通しです。

(「グッド!モーニング」2025年11月26日放送分より)