宮城県は25日、クマの目撃が続いているなどとして、クマの出没警報を12月末まで延長することを決めました。加美町の小学校では、児童がクマから身を守るための特別授業が行われました。
加美町の鹿原小学校で行われた特別授業では宮城県の職員が講師となり、児童11人に向けクマの習性や対応策などを説明しました。
加美町ではクマの目撃件数が10月169件、11月87件と過去最多のペースとなっていることなどからクマ出没非常事態宣言を出して警戒を呼び掛けています。
児童たちはクマと出合わないようにする注意点について説明を受けたほか、毛皮や爪に触れて、身をもってクマの恐ろしさを体感していました。
児童「標本の毛皮を触ってみて、爪がすごくとがっていて、それでひっかかれたら結構大きなけがすることが思い浮かんできました」「なるべく背を向けないで歩くのが大切だと思いました」
県北部地方振興事務所林業振興部江刺ひろ子さん「正しく知ってほしいということが1つ、それで正しく怖がってほしいというのがあります。これからクマが冬眠に入る季節で、だんだんと姿が見えなくなる時期に入ると思うんですけど、それでもまだしばらく油断せずに気を付けて、登下校時など過ごしてもらえればいいなと」
特別授業は、他の小学校でも行われます。
宮城県丸森町特産のころ柿作りでは、収穫の時にはクマへの細心の注意が払われています。
耕野地区の八島哲郎さんの40アールの畑には、ころ柿となる蜂屋柿など約200本が植えられています。
ここ数年は実の変形による不作が続きましたが、日照時間が多かったこともあり、色も形もに良い柿がたくさん実りました。
一方で懸念されるのがクマによる被害です。収穫の前には花火を使い収穫時はラジオやクマ鈴を鳴らす他、なるべく単独行動を取らないようにしているということです。
八島さんの畑ではクマの被害はありませんが、地区では先週もクマが目撃されています。
八島哲郎さん「対策を万全にして、私は遭っていないけども万が一遭わないようにという対策はしています。早く寒くなって冬眠してくれればいいなと思っていて、お互い遭わない方がいいので」
ころ柿は約3万個が出荷され、1月中旬から丸森町の道の駅やしまややJR仙台駅などで販売されます。