東京電力は新潟県の柏崎刈羽原子力発電所で、早ければ来月にも再稼働する見通しの6号機の内部や訓練の様子を公開し、安全対策を強調しました。
東京電力が公開したのは、発電所が電源を失った場合を想定し、海水をくみ上げ原子炉に注水するための訓練です。
使われた大容量送水車は福島第一原発の事故を受けて配備されました。
津波で外部電源を喪失し、1号機から3号機がメルトダウン。水素爆発が起きた福島第一原発。
その事故から運転を停止していた柏崎刈羽原発では、万が一の事態でも原子炉を冷やす機能を維持するため、設備や仕組みをいくつも重ねて備えてきました。
原子炉建屋の最上階、原子炉の上に位置するフロアには、水素爆発を防ぐ設備を導入。事故で原子炉から水素が発生し、建屋の上部に滞留しても、水蒸気に変えられる装置です。
また、放射性物質を大気中に放出することになっても、1000分の1以下までその量を低減する装置も設置しました。
柏崎刈羽原発 稲垣武之所長 「事故時対応は、自治体の皆様との連携も含めてしっかり対応できるように、より一層磨き込んでいくというところが大事かと思っています」
ただ、設備などのハード面の対策だけでなく、緊急時に東電が迅速で透明性のある対応を取ることができるのか。その信頼性には、今も厳しい視線が注がれています。
稲垣武之所長 「東京電力は事故を引き起こした当事者でありますので、そういう思いを皆が忘れないというのが非常に重要だと思っています。安全性もそうですけど、(地域の人々に)理解をいただくという活動も終わりはない。私がこれからも一生かけてやるものかなと思っています」
先月、新潟県の花角知事が再稼働の容認を表明し、6号機は早ければ1月にも動き出す見通しです。
世界最高水準の安全対策を目指す柏崎刈羽原発ですが、緊急時の情報公開や対応など、原発を担う企業としての信頼が問われています。