寒波襲来による厳冬の選挙戦が、雪国の候補者たちに重い課題を突き付けている。青森県では1月28日現在、選挙戦の大きな柱とされてきた街頭演説が、積雪や厳しい寒さの影響で思うように実施できない状況が続いている。ある候補者は厳しい冬の環境を受けて、街頭演説を抑え、屋内での個人演説会を中心とした活動に切り替える判断を下した。北海道でも、雪国特有の事情が選挙戦を左右している。陣営関係者は「応援弁士は来たがらないだろう」と語り、移動リスクや天候不順が、中央政界からの支援を難しくしている実情を明かした。一方、山形県では、こうした制約を逆手に取る形で、SNSの活用に活路を見いだそうとする動きを見せている。候補者の一人は「雪国の選挙戦だからこそ、SNSが重要になる」と強調する。
インターネットを主戦場とする選挙戦が、いよいよ本格局面を迎えつつある。総務省情報通信政策研究所がまとめた「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、「いち早く世の中のできごとや動きを知る」際に最も利用するメディアとして、インターネットを挙げた人は全体で54.4%に達した。年代別では10代が75.7%、20代が81.2%、30代が78.9%と、若年層を中心にネット依存の傾向が鮮明となっている。一方、60代では32.5%、70代では10.7%にとどまり、世代間の情報接触の差も浮き彫りとなった。こうした環境変化を背景に、選挙戦における動画活用も急速に拡大している。番組の調査によると、各党の公式チャンネルで、1月27日の公示日から4日間に投稿された動画の本数は、2024年衆院選で計142本、2025年参院選は149本に上り、2026年衆院選で293本に達している。一方で、今回の衆議院選挙をめぐっては、生成AIなどを用いて作成されたフェイク動画が、SNS上で拡散し、問題となっている。実在の候補者や政治家の発言、行動を装った映像が出回り、有権者の判断を誤らせかねない状況が生じている。こうした事態を受け、1月23日、総務省は、SNSなどの運営事業者に対し、選挙に関する偽情報や誤情報への適切な対応を求める要請を行った。
ANN(テレビ朝日系列)が実施したX(旧ツイッター)の全量調査によると、1月27日から31日までの期間に、主要政党に関連して投稿された件数は、自民党が約178万件と最多となった。次いで、中道改革連合が約103万件、参政党が約87万件、れいわ新選組が約70万件で続いた。与野党を問わず、ネット空間での存在感が可視化される一方、日本維新の会は約56万件、日本保守党が約54万件、共産党が約39万件、国民民主党が約34万件と、中位層では比較的拮抗した数字が並ぶ。一方、社民党は約10万件、減税日本・ゆうこく連合が約9万9000件、チームみらいは約5万9000件となった。
衆議院選挙の結果は、単なる勝敗にとどまらず、国会運営の主導権を大きく左右する。仮に、与党が243議席以上を獲得した場合、いわゆる「安定多数」を確保し、すべての常任委員長ポストを掌握することが可能となる。さらに、261議席以上に達すれば、「絶対安定多数」となり、盤石な体制を築くことができる。ANNが1月24、25日に実施した最新の世論調査で、高市内閣の支持率が57.6%に上ることが分かった。前回調査から5.4ポイント低下したものの、政権発足以降、安定した支持を維持している。一方、内閣を「支持しない」と答えた人は25.3%で、前回比5.9ポイント上昇した。支持と不支持の差は30ポイント以上。過去の推移をみると、高市政権の支持率は2025年11月は67.5%を記録し、2025年12月時点では63.0%となった。その後、2026年1月調査でも高い水準を保っている。今回の調査は、2026年1月24日と25日に実施された。全国の18歳以上の男女2609人を対象に、電話によるRDD方式で行われ、有効回答率は39.4%だった。ただ、支持の背景や今後の動向によっては、数字が変動する可能性もあり、引き続き世論の動向が注目される。
食料品を対象とした消費税減税をめぐり、外食産業から慎重な声が上がっている。現行制度では、外食の消費税率は10%である一方、弁当や惣菜などの持ち帰りは0%と変更された場合、その価格差が消費行動に影響を与えるとの懸念が指摘されている。外食大手の関係者は、「安いものに流れるデフレマインドが復活するのではないか」と語り、外食需要の低迷を不安視する。今回の衆議院選挙を巡っては、ほとんどの政党が消費税の減税や廃止を相次いで打ち出している。また、家計や経済全体へのプラス効果を指摘する試算もある。野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストが行った試算によると、食料品の消費税率を0%とした場合、4人家族の年間負担は約6万7272円軽減されるという。国家全体でみても、一定の経済押し上げ効果が見込まれる。試算では、飲食料品を対象に2年間の時限措置とした場合、実質GDPを0.22%押し上げる。これを恒久措置とした場合は0.43%に拡大し、さらに消費税全体を5%に引き下げた場合には、1.08%の押し上げ効果が見込まれるとしている。
★ゲスト:木内登英(野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミスト)、林尚行(朝日新聞コンテンツ政策担当補佐役)、久江雅彦(共同通信編集委員兼論説委員) ★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長)