市街地でクマの目撃が相次いでいます。4月には仙台市青葉区木町通のマンション敷地内に居座りました。クマと遭遇してしまった場合の命を守るための対策を専門家に聞きました。

 野生動物の生態に詳しい石巻専修大学の辻大和教授は、いつどこでクマと遭遇してもおかしくないと危機感を抱いています。

 石巻専修大学辻大和教授「10年前に比べて、クマの市街地への出現が明らかに増えていまして驚いているところです。ほとんどのクマは元々山で暮らしていて、食べ物を探して川沿いを移動しているうちに、たまたま市街地に紛れ込んでしまうってケースがほとんどです。そういうクマはパニック状態にあると思われますから、人間からすると凶暴なクマということになります」

 5月20日には、宮城県大崎市でタケノコ採りをしていた70代女性が体長約1メートルのクマと遭遇しました。

 女性「クマが脇から来たんですよ。顔を近づけてきて」

 はずみで後ろに転倒し動けなくなったという女性は危険が迫る中、必死で抵抗したと話します。

 女性「たまたまのこぎりがあったので振り払って、私の周りを1周して」

 女性はとっさにのこぎりを振り回し、クマは立ち去ったということです。転倒した際、腰の骨を折る大けがをしましたが、クマによる直接の被害はありませんでした。
 石巻専修大学辻大和教授「予想外の動きに対して野生動物はかなり警戒しますので、ちょっと驚いて逃げたのかなって私は考えました。ただしこれはたまたまうまくいっただけであって、のこぎりを持っていれば近づいても大丈夫だとは絶対ならないと思います」

 クマは嗅覚や聴覚が優れていて、人間の気配を感じると避けて移動する習性があるということです。クマと遭遇しやすい状況を聞きました。

 石巻専修大学辻大和教授「例えば雨上がりの曇り空とか雨の日とか、雨が降ったせいででるにおいで鼻が利かなくなってしまう。あるいは川沿いでは、音が聞こえにくくなります。そういう状況で人間とばったり鉢合わせすると、人間もびっくりですがクマもびっくりしますので、自分の身を守ろうとして攻撃してくることになりますね」

 距離がある場合にはクマを刺激せず、その場からゆっくりと立ち去ることが重要です。 石巻専修大学辻大和教授「興奮しているクマに対して刺激を与えてしまうと、相手から攻撃を受けると考えるので至近距離の場合は刺激せずに、じりじりと距離を取っていくことが一番できることではないでしょうか」

 クマは本来、人を避けて移動しますが食べ物を探す過程で市街地に迷い込む場合があります。
 その際に雨や川の音などで鼻や耳が利きにくい状況で人に遭遇するとクマが驚いて攻撃してくる可能性があるため、外出の際は十分な注意が必要です。
 もしクマと出合った場合は、大声を出したり急に大きな動きをしたりするとクマを刺激することになります。ゆっくりとその場から離れることが望ましいということです。

 辻教授に、個人でできる対策を聞きました。
1.行政からのクマ目撃情報などを確認し、出没場所に近づかない
2.クマの活動が活発になる早朝と夜間の外出には注意を払い、複数人で行動するなどして人間の存在を知らせる
3.生ごみなど臭いを発する物を屋外に放置しない