クマの目撃が相次いでいます。宮城県によりますと、クマの出没件数は4月140件、5月300件と非常に多くなっています。2025年は4月26件、5月111件でしたので約3倍に増えています。
クマに遭遇しないためには、クマの行動パターンを知っておく必要があります。野生動物の生態に詳しい石巻専修大学の辻大和教授に聞きました。
辻大和教授「春と違って、夏はクマの動き回る範囲は大きくなります。その過程で人里周辺に出入りすることも起こり得る。春には人間が山菜採りやタケノコ採りで山の中に行かなければ、遭遇してしまうリスクは低い。夏はクマにばったり鉢合わせることもあるので、気を付けなければならないと思います」
「夏は、食べ物が山の中にあまり無い時期なんです。春に芽を出した葉っぱが固くなってしまうので、食べ物として価値のないものになってしまう。木の実もそんなに無い。クマにとっては比較的、食物事情が悪い時期になります」
辻教授によりますと、夏場は栄養状態が悪くなったクマが餌を探し求めて行動範囲を広めた結果、人里に降りてきてしまうというリスクがあり、更に繁殖活動をの時期でもあるため雄が雌を探すために行動範囲を広げることもあるということです。
辻大和教授「子グマは生まれてから1年はお母さんと一緒にいるので、お母さんの動き回っている範囲であれば、ある程度は学習できる。お母さんから離れてしまったクマは新しい場所を開拓しないといけないから、経験の無い子グマにとっては、フラフラする時間が続くのではないか」
冬に生まれた子グマは、1年半後の夏にひとり立ちします。自分で食糧を探さなければならない状況になった一部の子グマが、誤って人里に下りてきてしまうということも考えられます。
そして、親グマが人間の生活圏で行動していた場合、ひとり立ちした子グマにも影響を及ぼすということです。
辻大和教授「お母さんのクマが人里に生活している時、その子どもたちは生まれた時から人間の生活空間を勉強しますよね。そういう個体が大きくなると、ひとり立ちした後も人間の生活空間を自分の動く範囲に含むことも考えられる。人間の食べ物はおいしい、簡単に手に入るということを学習すると、自分がひとり立ちした後にそういう所を好むようになる」
辻教授は2025年、大部分のクマは一時的な食糧不足のために人里に降りてきたに過ぎないと分析していますが、人の食べ物に依存する子グマへの注意が必要です。
夏は春と比べてクマの行動範囲が広がります。理由としては山の食糧が少なくなる、繁殖のために雄が雌を探し回ったりするといったことが考えられます。
夏は生まれて2年目の子グマが親離れの時期で自分で食糧を探さなければならなくなり、誤って人里に降りてくる危険性があります。
夏場はクマの行動範囲が広がり、人の生活圏での遭遇リスクが高くなります。
事前に確認して、目撃情報などがあれば行き先や時期を変えたりすることも大切です。
そこで、クマへの警戒が引き続き必要となる中で気になるデータがあります。
環境省によりますと、クマの出没が相次いだ2023年と2025年は8月から11月にかけて人身被害がピークで件数も5月から7月に比べ約4倍です。
夏から秋にかけて人の生活圏で人身被害が増える可能性が高いということで、できる範囲で気を付ける必要があります。