宮城県の県立高校女性教諭が上司からパワハラを受けて自殺したとして、両親が宮城県に約1億円の賠償を求めた裁判が仙台地裁で始まりました。宮城県側は、請求の棄却を求めました。
石巻西高校に勤務していた30代女性教諭は2020年、同じ学校の主任だった男性教諭から心理的に追い詰められるような内容が書かれたメモを受け取るなど、パワハラを苦に自殺しました。
女性教諭の両親は、上司の言動により女性が精神的な苦痛を受けたなどとして宮城県に約1億円の損害賠償を求めています。
23日の第一回口頭弁論で両親は「事故後に宮城県県教育委員会がまとめた事故調査報告書の事実認定が不十分」男性教諭のパワハラ行為の更なる全貌の解明と、管理職の責任を追及したいと訴えました。
一夫で宮城県側は「報告書の認定事実を超える原告らの主張は、根拠を確認できない。校長や教頭は加害教諭への指導や、女性教諭の体調への配慮を行っていた」などとして、請求の棄却を求めました。
次回の裁判は、9月8日に開かれます。
娘に何が起きたのか、なぜ防ぐことができなかったのか。両親は、裁判で真実を明らかにしたいと訴えます。
父親「写真見てはね。思い出すよね。悔しい。ひどいなと言うしかないですよね」
高校教諭だった娘は、30代という若さで自ら命を絶ちました。
宮城県の石巻西高校で社会科の教員として勤務していた女性は、進路の相談や不登校の生徒の支援など生徒に寄り添う先生で、両親にも学校での出来事をよく話していたということです。
父親「天職のように思ってましたもんね。子どもたちの役に立てているのが、本当にうれしいんだなと思いましたよね」
女性教諭に異変が起きたのは、初めて3学年の担任を任された2020年でした。
母親「泣いて帰ってきたからね。何か分からない人からの手紙があったんだよねって」
宮城県教育委員会の調査報告書によると2020年3月、女性教諭は業務をめぐる行き違いで上司の男性教諭と関係が悪化します。
その後6月の職員会議で、男性教諭が女性教諭に対して業務報告の不備を執拗に指摘し、女性は涙を流して退席しました。
周囲の教員からは「つるし上げしているようだった」という声も上がりました。
女性教諭の手帳には、男性教諭から受け取ったメモが残されていました。このメモによって女性教諭は、更に精神的に追い詰められます。
「先生の仕事の後始末をするのはもうたくさんです」「不愉快ですので教務部会にも出ないでください」
母親「学校の先生なのにそんなことやるの、と私は言った時がありましたね。お母さんは性善説だからと」
教頭ら管理職にパワハラについて報告したものの、改善されませんでした。
手帳には、10月23日までの授業のスケジュールも記されていましたが、女性教諭は命を絶ちました。
宮城県教育委員会は、2024年に出した報告書で男性教諭の行為がパワハラと認定し、校長や教頭についても「指導や情報共有を怠り重大な過失があった」と結論付けました。
両親は調査や事実認定に不十分な点があると指摘していて、娘に何が起きたのか、なぜ防ぐことができなかったのか裁判で真実を明らかにしたいと訴えます。
父親「原因がどこにあって二度としないということが明らかにならなければ、娘の尊厳は回復したとは思ってないので、尊厳を回復したい。真実を本当のことを明らかにしてくれと」