皇室典範の改正案が衆院を通過しましたが、課題は残ります。「住まい」や「警備」など、新たに皇族が誕生した場合、どうするのでしょうか。
■皇室典範改正案 衆院通過
本会議を前に、麻生副総裁は笑顔です。
自民党 宮内秀樹議運理事 「なかなか経験できないような記念すべき皇室典範等の改正案でございますので、皆様方におかれましてはセイヒンな空気感とセイヒンな…静謐(せいひつ)…すみません」
皇室典範改正案を巡って、政府・与党は「静謐」な環境での議論を目指してきました。10日、節目を迎えます。
改正案は、女性皇族が結婚後も皇室に残れるようにするほか、旧宮家から男系男子を養子に迎えることを可能にするものです。
木原稔官房長官 「(養子の子が)男子の場合は皇位継承資格を有することとなります」
養子に男の子が生まれた場合は継承権があると改めて説明した政府。
一方、中道は「将来の検討課題として、先送ることを明確にすべき」として、附帯決議の修正を求めていました。
附帯決議については、30年ごとに見直しを行うにあたっては、養子の皇族男子を取り巻く環境などを考慮し、必要があれば措置を講じること、安定的な皇位継承を確保するため、引き続き検討するとしています。
中道改革連合 中野洋昌議員 「仮にこの附帯決議が議決をされて皇位継承の議論をしていくというなかにおいて、現段階で政府として何か方向性を決めているものであるのか、あるいは方向性を特にまだ決めていないというものであるのか」
木原官房長官 「悠仁親王殿下の次代以降の皇位の継承について具体的に議論するには現状は機が熟しておらず、かえって皇位継承を不安定化させるとも考えられる。将来において悠仁親王殿下のご年齢やご結婚を巡る状況を踏まえたうえで議論を深めていくべきではないか。一方で、今回の改正について言えば将来の皇位継承の在り方について立法府における将来の検討を先取りしたり縛ったりするような趣旨のものではないことを改めて申し上げます」
中道も、賛成に回りました。
■新たな“皇族の在り方”中身は?
委員会では、結婚後の女性皇族の生活についても質問が飛びました。
国民民主党 玉木雄一郎代表 「お住まいになられる場所は御用地なども想定しうるのかどうか」
女性皇族が結婚後も皇室に残る案では、夫や子どもは皇族とはなりません。どこに住むのでしょうか。
内閣官房 末永洋之内閣審議官 「内親王や女王と婚姻した配偶者や子は家族として御用地に居住いただくことは可能と考えている」
玉木代表 「配偶者や子どもについては、警備の対象となりうるのか」
警察庁警備局 石川泰三警備運用部長 「当該配偶者とその子については皇族にならないとされている。警察法第29条第2項に規定する皇宮警察の護衛の対象とはならない」
女性皇族は警備対象となりますが、夫や子は皇宮警察の警備対象外とされました。
また、旧宮家から養子となる人については、宮中祭祀(さいし)や行事について経験がない状態で皇族となることになります。
参政党 石川勝議員 「新たな皇族になる方の教育・継承はどのように進められるのか」
宮内庁 緒方禎己次長 「養子縁組が成立した場合には、その方に宮中祭祀、宮中の儀式、行事、宮中儀礼、慣行、作法をはじめとする皇室に関することについて学んでいただく機会を設ける予定。皇族となられた後、ご自身でも色々と学んでいかれるが、宮内庁としてもしっかりとお支えしてまいりたい」
委員会での採決を受け、皇室典範改正案は衆院本会議に緊急上程され、可決しました。
採決では与党に加えて中道や国民民主党などが賛成し、共産党は反対しました。中道の一部の議員は、採決を棄権しました。
これまで改正案に反対していた野田氏は…。
中道改革連合 野田佳彦顧問 「本来、私は反対すべきだと作った党ですので、火中の栗を拾ってくれた執行部の邪魔をするわけにはいかないと思い、党の決定通りに行動いたしました」
改正案は来週、参議院の特別委員会で審議が行われ、今の国会で成立する見通しです。