殺害された男性は地元で親しまれた老舗和菓子店の店主でした。6年前には取材にも応じていた男性に何があったのでしょうか。

 6年前、和菓子店の主人として取材に応じる被害者の斉藤一正さん(80)。

和菓子店「斉藤製菓」 斉藤一正さん 「(まんじゅうの形について)この辺は昔から石灰石が有名。土の付いた石灰石のイメージ」

 和菓子への思いを語っていました。

和菓子店「斉藤製菓」 斉藤一正さん 「宇いち饅頭(まんじゅう)は見掛けは悪いが、おいしくなるよう努力している。嫌がらずに買って下さい」

 昭和初期に祖父が生み出した地元の銘菓を受け継ぎ、大切に守ってきた斉藤さん。

 何者かに殺害され、店の2階で倒れているのが見つかりました。

 山口県美祢市で人気を集める和菓子の店で起きた事件。

 28日、店の2階で店主の斉藤一正さんが殺害されているのが見つかりました。

近隣住民 「ここは昔からのまんじゅう店。『宇いち饅頭』といったら伊佐の銘菓、そんな感じの店」

被害者の同級生 「びっくりしたんですよ、新聞を見てね。私らは同級生だから最近付き合いがないといっても小さいころから一緒に学んだり遊んだりしてたから。子どものころ、土産物を買って親戚に持っていった。(味は)昔から変わっていない。おいしかった」

 事件発覚の当日、現場の前を通ったという人は…。

近隣住人 「28日に病院に歩いて行った。カーテンが全部閉まっていて、おかしいなと思ったんです。旅行にでも行かれたのかな、普通の日なのになって思った」

 現場になったのは店舗兼住宅の建物です。

 その居住部分である2階、いずれかの場所で店の主人が70代の妻とともに倒れていたといいます。

近隣住民 「警察の人が訪ねてきて。あれは土曜日(29日)だったか。びっくり、こんな田舎で。家の中で亡くなっていた」

 夫は普段着姿で倒れていて、その場で死亡が確認されました。

 頭に約4センチの傷など複数の打撲のような傷があり、体内の血液が大きく減少したことが死因とされています。

 妻も普段着で倒れ、頭には外傷がありました。

 病院に搬送され、治療を受けていることに加えて認知症の症状もあり、受け答えは難しい状態だということです。

近隣住民 「パトカーや救急車がいっぱい来たから見に行った。奥さんの頭から血が出ているとかいって」

 被害者らは鉄パイプやバールのような鈍器で殴られたとみられていますが、それらは現場からは見つかっていません。

 斉藤さんのまんじゅうは地元の道の駅でも人気の商品だったそうです。

 地元の道の駅の担当者を取材すると、事件が発覚する前から、ある異変を感じていたことが明らかになりました。

 殺害された被害者は地元の道の駅に定期的に商品を納品していたそうです。

道の駅おふく 売り場担当者 「(売り始めたのは)かなり前だと思う。うん十年か…とても有名。美祢の老舗のお菓子店といえば『宇いち饅頭』」 「(Q.午前中は商品があった?)(きょう)全部、完売した」

 直近の納品は遺体が見つかる10日前にあたる18日だったといいます。

道の駅おふく 売り場担当者 「(被害者が)18日に納品に来た。夏休み時期で商品がよく売れていたこともあり、商品がどんどん減ってきていて、いつもだったら全部なくなる前に(納品に)必ず来ていた。商品がなくなっても来ないのでどうしたのかと…」 「(Q.商品なくなったら連絡する?)委託商品なのでお客様のご要望があれば電話したりするが、それ以外は業者にお任せしているので、こちらからご連絡することはほとんどしていない」

 斉藤さん一家を知る人は…

一家を知る人 「仲が悪いという話も聞いたことはない。(店主は)どちらかというと物静かな人。黙々と、店の中で仕事している」 「奥さんとはたまに話す。買い物や町内会費集めに行った時とか。昔はおとなしかったが、最近は歌ったりするのが好きと聞いた」

 警察によりますと、和菓子店の売り上げは盗まれていませんでした。

 また、窓が割られたり、こじ開けられたような痕跡もなかったということです。

 一方で、親族間のトラブルなどの話も出ておらず、警察は匿名・流動型犯罪グループ「トクリュウ」など第3者の犯行の可能性が高いとみて捜査を進めています。