2015年に東北地方などを襲った関東・東北豪雨で、宮城県大崎市古川の西荒井地区は特に大きな被害が出ました。

 関東・東北豪雨では宮城県で死者2人、負傷者3人、1700棟を超える住宅に被害が出ました。

 特に被害が大きかった大崎市古川の西荒井地区では、地域を流れる渋井川の堤防が3カ所で決壊し住宅や道路が大量の水に覆われました。

 宮城県によりますと、約430ヘクタールが浸水し取り残された住民141人がボートやヘリコプターで救助されました。

 豪雨被害から11年が経過した現在の西荒井地区、堤防が決壊した渋井川は静かに水が流れています。

 西荒井地区に住む相沢貞昭さん(72)は、今もこの場所で暮らしています。

 相沢貞昭さん「50センチ位まで水が上がりました。朝起きたら床下浸水で、あっという間に30分もかからないで床上」

 被害を繰り返さないため、川の合流地点には逆流による氾濫を防ぐ水門が設置されたほか、水位計や河川カメラも設置されました。

 被害の記憶を教訓に、水害への備えが続いています。

 関東・東北豪雨では、浸水した車の中からSOSを求める緊迫した無線の音声が残されています。

 宮城県の富谷市や大和町を管轄する黒川消防本部は当時、本部自体が水没し立て続けに15件の水難救助が発生したため、救助活動に時間を要しました。

「どうしました?」「車のエンジンが止まって身動きが取れなくて…」

「車から出られますか」「出られません」

「車から出られない、窓からも出られない?」「無理ですね」

 「外です。棒につかまってもはや流されそうなんですよ、もう動けないです。棒を離したら流されるので」「何件も救助指令がかかっていまして、なかなかそちらの方に着けない状況にいます。確実に時間がかかってでもそちらの方に向かいますので」「握力無くなってきて流されそう」

 黒川消防本部は、当時の浸水被害を教訓に4月から高台を新庁舎を移転し、各出張所に救助用ボートを配備するなど、現在は災害時でも機能できる態勢になっています。