新米の季節を迎えました。スーパーの米の販売価格は、1月ごろに比べると価格が大きく下がっています。

 米の販売価格に関係している概算金は、農家がJAに米を出荷した際に前払いされる一時的なお金です。

 宮城県の場合、概算金は新米の収穫前にJAが市場価格や経費、需要や在庫量などを鑑みて設定しています。

 農家が年に1回の収穫で米を売り切るまで長い期間がかかるので、農家の資金繰りを支える意味合いもあります。

 2026年は主力銘柄いずれも60キロ1万7000円となり、2025年から4割ほど下がりました。

 概算金は店頭価格とイコールではありませんが、JAと卸売業者との取引価格の目安になるので、米の価格が下がったことと大きく関係しているということです。

 農事組合法人大江北三浦健二代表「いきなり高くなっていきなり安くなれば、我々計算できないですよ。計画が組めないんですね。肥料が大体1.5倍くらい高くなっていて、燃料や機械類が1割以上も上がっているので、なかなか厳しいところはあります」

 JAに出荷している農家では、概算金が下がり予算がうまく立てられないということです。

 SNSやインターネットなど米の直接販売に力を入れている宮城県栗原市の黒澤農産では、JAから概算金を受け取ってはいませんが、大きく影響を受けていると話します。

 黒澤農産黒澤亜希さん「ちょっと想像を超えて、経営にも影響がものすごく出るぐらい下がってしまったので、どうしようかなと。直販の価格も市場の相場や生産コスト、あとは消費者の皆さんが買いやすい価格を色々なことを考えて設定しているので、全く無関係ではないなって」

 米の価格が下がったことで、2025年に比べ売り上げは6割ほど落ちてしまう見込みだということです。

 黒澤農産黒澤亜希さん「翌年も翌々年も米を作り続けられる、消費者さんたちも安心して買うことができる、そういった価格設定が本当に大切な部分なのではないかなと」

 概算金が下がるとJAを通して米を卸している農家だけではなく、黒澤さんのようにインターネット販売など消費者に直接販売している農家にも影響があります。

 概算金が下がった理由について、米の流通に詳しい宮城大学の大泉一貫名誉教授に聞きました。

 大泉一貫名誉教授「概算金が下がったのはお米が過剰だからなんですね。50万トンから70万トンぐらい過剰なんですよ。概算金に見合った店頭価格で売れるかというと、まだまだ過剰な状況の中では下げざるを得なくなる可能性がある。2025年よりはかなり安いお米が出回ると考えていいのでは」

 大泉名誉教授によりますと、新米が並び始めた2週間ほどはスーパーなど小売店が新米の価格を試す時期で、古米とのバランスを見ながらどのくらいの価格帯で売れるか試行錯誤して平均が決まっていくということです。

 黒澤農産黒澤亜希さんは、地域の農家では価格の低さで経営が厳しいこともあるが、振り回される状況に心が折れてしまって離農する方も多く、他の農家から米を代わりに作ってほしいと委託を受けることも増えたとも話しています。