下水の中に含まれる新型コロナウイルスの量を調べ、仙台市の向こう1週間の感染者数を予測している東北大学の佐野教授が14日、最新のデータを公表しました。

 仙台市の今週の感染者数は、過去最多となった先週からほぼ横ばいで推移すると予測しています。

 東北大学大学院工学研究科の佐野大輔教授のグループは、週に2回、仙台市内の下水処理場から下水を採取してPCR検査を行い、検出された新型コロナウイルスの量から次の1週間に発生する感染者数を予測しています。

 1月から今週までの実験結果をまとめたグラフです。赤い線で示したものが研究による予測値で、青い線で示したものが実際に確認された感染者数です。

 先週は2891人の予測値に対して、実際に確認された感染者数は2997人でした。 仙台市の1週間の感染者数としては過去最多を更新しましたが、伸び率は前の週と比べ鈍くなりました。

 今週の仙台市内の感染者数は、先週の実測値を33人上回る3030人と予測されていて、ほぼ横ばいで推移するとみられています。

 東北大学大学院工学研究科佐野大輔教授「(前週より)ウイルス濃度がほぼ横ばいか、少し低い程度であったので、すごく一気に数字が伸びている状況ではないのではと考えているということです」

 佐野教授は下水に含まれるウイルス濃度の伸び率が鈍くなっていることから、感染拡大のピークは近いとみていますが、ピークを迎えた後どの程度の期間で感染者が減少に転じるかは見通せないとしています。

 東北大学大学院工学研究科佐野大輔教授「依然として下水中にコロナウイルスを排出している方の人数は、過去最高レベルをほぼ維持している状況と見受けられるので、引き続き気をつけて過ごしていただきたいと思っております」