宮城県が10日公表した新たな津波の浸水想定で、仙台市でも浸水域に入った住民から不安の声が出ています。仙台市は、避難所運営の見直しなどを検討しています。

 県は10日、東北地方太平洋沖と日本海溝、千島海溝で巨大地震が起きて最大クラスの津波が発生し、しかも防潮堤が壊れるなど悪条件が重なった場合の浸水想定を公表しました。

 今回の想定では、仙台市でも中野栄小学校など6カ所の避難所が新たに浸水域に入ります。

 また、他の2カ所の避難所も、避難所自体は浸水しないものの周囲が浸水すると見られています。

 こうした避難所を利用する予定だった地区の住民からは、今回の想定に驚きや不安の声が聞かれました。

 「(避難するなら)市民センターって思ってたんですけど、それがまた津波が来るっていうのであれば、また違うところに避難しなきゃいけないので、他にどこがあるのかとか、(避難所を)増やしてほしいという希望はあります」

 「(避難所の浸水は)ちょっと想像できないんですけどね。津波から遠いとこだと思いますよね、避難所っていうとね」

 仙台市は、避難所となる小学校などが浸水域に入ったとはいえ、すぐに使用できなくなるわけではないと説明します。

 仙台市防災計画課鈴木智久課長「高さについては、今のところ確保できていると。実際に構造的にも問題がないということであれば、既存の施設を使うと考えてございます」

 一方で今回の想定を受け、住民の避難計画を見直す必要があることも認めます。

 仙台市防災計画課鈴木智久課長「今1階部分に置いているもの(災害備蓄品など)についても、その場所の見直し。避難所運営などについても見直しを図っていかなければいけないところが出てくると思います」

 仙台市では今後、住民と意見交換をしながら避難計画やハザードマップなどの見直しを図ることにしています。