無断で映画を短く編集した、ファスト映画と呼ばれる動画をインターネットに投稿したとして宮城県警が摘発した3人に対し、大手映画会社が5億円の損害賠償を求め東京地裁に提訴しました。

 ファスト映画を巡って映画会社が損害賠償を求め提訴するのは、全国で初めてです。

 これは2021年、札幌市や東京都に住む20代と40代の男女3人が、5本の映画を無断で短く編集し動画投稿サイトに公開したとして著作権法違反の罪に問われた事件で、仙台地裁が執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。

 大手映画会社の東宝や日活など13社は、著作権を侵害され損害を被ったとして、この3人に対し5億円の損害賠償を求め19日に東京地裁に提訴しました。

 この訴訟では、映画や音楽などの権利会社などでつくる団体、コンテンツ海外流通促進機構が原告13社の訴訟手続きのとりまとめを行っていて、記者会見し次のように述べました。

 担当弁護士「日本のコンテンツは権利行使しない、不正利用すればローリスクハイリターンで収益が得られる。これまでそのような話を何度も聞いてきた。今回の民事訴訟の提起によって、そのようなことは無いということが広く示された」

 無断で公開されたのは54作品で、1000万回以上再生されていたとしています。

 1回当たりの損害額は200円で、損害の総額は20億円に上ると試算していて、今回の請求額は最低限の回復を図るためとしています。

 ファスト映画を巡って、映画会社が損害賠償を求め提訴するのは全国で初めてです。