16日に改定案が発表された衆議院選挙の小選挙区の区割りについてです。新しい宮城4区に組み込まれ議席を争うことになる与野党の現職のベテラン議員からは、不満の声も聴かれました。

 宮城では仙台より北の4区、5区、6区が2つの選挙区に再編され、6つの選挙区から5つの選挙区とする案が示されました。

 新しい4区は現在の4区から加美町と色麻町を除いた区域とこれまでの5区の石巻市、東松島市、女川町などをあわせた地域です。 塩釜市に事務所のある自民党の現職で7期目の伊藤信太郎氏と、石巻市を地盤とする立憲民主党の現職で9期目の安住淳氏が新しい4区に組み込まれることになります。

 安住淳氏「今の4区に(石巻は)吸収されて、人口的にも圧倒的に今の4区の方が、私どもの地域を10万人以上多いわけです。石巻で国会議員を出し続けるっていうのは相当厳しいかなと」

 また、新しい4区には2021年の衆院選で安住氏と議席を争った石巻市に事務所がある自民党の森下千里氏がいて、戸惑いの声が聞かれました。

 森下千里氏「考えがまとまらないというのが正直なところなんですけど、引き続き宮城で(国政に)挑戦させていただきたいなと思っています」

 党内で候補者調整が必要となる4区選出の伊藤氏は、khbの取材に対し「地域の一体性を考慮しない区割り案。自身への影響は大いにある」と答えました。

 新たな4区の候補者調整について、自民党県連の西村明宏会長は。

 自民党県連西村明宏会長「党内でしっかり調整をしてそれぞれ有意な志を持った皆さんが、国政にて活躍できるようなことを最大限考えていかなければならない。現時点では候補者調整は白紙です。

 そして有権者の反応もさまざまです。石巻市や東松島市などと同じ選挙区に組み込まれる富谷市民からは、次のような声が多く聞かれました。

 富谷市民「こっち(沿岸部)の方とあんまり政策的に(必要なものは)違うのかなって感じはします」「内陸と海沿い、沿岸沿いの方は一緒くたにすると、地域の開発とか、民意が反映しにくくなる気がしますけどね」

 政府は、今回の勧告内容を反映させた公職選挙法改正案を秋の臨時国会に提出する予定です。