円安の影響で外国産の果物の価格が上がっていて、中には国産よりも高い果物もあります。果物を販売している小売店からは、早く価格が落ち着いてほしいとの声が聞かれました。

 仙台市中央卸売市場では、宮城県内の飲食店やホテルなどに出荷される外国産のレモンやオレンジ、チェリーなどの果物が段ボールに入れられて積まれていました。

 野菜や果物の卸売を行っているあおば青果によると、現在外国産の果物の卸価格が上がっているということです。

 特に価格が高騰しているのは、外国産のオレンジやレモンといった柑橘類です。

 あおば青果では1カ月ほど前と比べ1箱17キロあたりの卸価格はオレンジで300円値上げし6500円に、レモンは500円値上げし8000円としました。

 仙台あおば青果輸入果実部渡邉邦雄部長「販売価格に転嫁するしかないので、どうしても物価高になってしまうかなっていうのはありますね」

 コロナ禍による輸送コストの上昇や原油高を受け、1月ごろから値上がりの波が押し寄せていましたが、そこに円安が追い打ちをかけた形で短期間でここまで値段が上がるのは非常に珍しいということです。

 アメリカ産のチェリーは、前の年の同じ時期と比べ3割ほど値上がりしていて、1キロあたりの卸価格は2250円となっています。

 これから旬の国産のサクランボの1キロあたりの価格は2200円ほどと、これまで安かった外国産の果物の価格が国産よりも高くなっています。今後の見通しはどうなのでしょうか。

 仙台あおば青果輸入果実部渡邉邦雄部長「円安がだいぶ進んでいるようなので、今後どのくらい値上がりするのかちょっと不透明なところがあります」

 県の内外に10店舗以上を展開する青果店、いたがきです。季節の果物の販売や、厳選した果物をふんだんに使ったケーキやジュースを提供しています。

 現在商品に使用する外国産のグレープフルーツやオレンジの仕入れ価格が前年に比べ2割ほど高くなっていて、大きな負担となっています。

 いたがき板垣金太郎代表取締役社長「クリームでもなんでも値上げの中で小売り(価格)に転嫁できるかってなるとなかなかジレンマがありますよね。(値段を)上げるっていうのも厳しい」

 いたがきでは、ケーキの価格は変えずに販売していますが、一部の店舗では価格が高騰しているグレープフルーツやオレンジ、レモンを使ったジュースの販売を一時休止しているということです。

 いたがき板垣金太郎代表取締役社長「お客様から値上げした時に買っていただけないという心配もありますよね、だからそこのところは値上げせずに何とか今は努力の中でできないかなというところで、早く円安が収まって全体的に落ち着いてくれば良いなと思ってますけど」