仙台空港国際線の再開に期待

 コロナ禍で観光客が落ち込んでいる、宮城県の日本三景松島についてです。10月に仙台空港と台湾を結ぶ定期便の再開が決まり、観光復活への期待が高まっています。そんな中、忍び寄る第7波。松島観光の今を取材しました。

 宮城県内有数の観光地・松島。24日の日曜日は、夏休みに入った子どもを連れた多くの観光客の姿が見られました。
 埼玉からの観光客「遊覧船に乗ります!」「こういった(感染拡大中の)時なんで、あまり出掛けられないんですけど、できるだけ親子のスキンシップを取っていけたら良いなと」
 福島からの観光客「(大雨被害で)1週間前は来れるかなと思ってたんですけど、何事もなく観光できる状態で良かった」

観光客が戻ってきた日本三景・松島

 松島で遊覧船を運航する丸文松島汽船の船長、志摩智洋さんです。
 丸文松島汽船志摩智洋船長「こういう災害があって、果たしてお客さん、喜んで来てくれるのかなって、それだけが私は心配してた。でもちょこちょこお客さん、次の日から来てましたので、ほっとしましたね」
 15日から降り続いた大雨で、松島の海岸通りでは土産物店が冠水するなどの被害が出ました。観光への影響が懸念されましたが、懸命な復旧作業により17日には多くの店が再開しました。

 丸文松島汽船も17日に営業を再開。この土日は、観光客が戻ってきましたが、今、志摩船長が懸念しているのは、新型コロナの感染拡大です。
 丸文松島汽船志摩智洋船長「私たちは、経済活動回さないと仕事にならないから。果たしてどうしたら。先が読めない。不安ですね」

 そんな中、関係者が期待を寄せているのが、新型コロナの感染拡大後から運休が続いている仙台空港の国際線の再開です。格安航空会社のタイガーエア台湾は、19日に台湾と仙台を結ぶ定期便を10月30日から再開すると発表。仙台空港の国際線は、コロナ前は台湾や韓国など5路線、週に56便が運航していてこのうち台湾便は週19便ありました。
 今回は週3便のみの再開とコロナ前には及びませんが、それでも観光復活への大きな一歩だと期待しています。
 丸文松島汽船松島営業所矢部善之所長「本当に、ようやくかって感じです。待ちに待ってたニュースでしたね」

仙台空港国際線の再開に期待

 松島を訪れた外国人観光客は、コロナ前の2019年度は6万7000人ほどでしたが、2020年度は800人余りに激減。2021年度分は集計中ですが、更に下回る見込みです。
 丸文松島汽船の矢部さんは、コロナ感染拡大後も海外のツアー会社にオンラインで松島をPRしたり、ツアーの資料を作ったりして、国際線再開に備えて海外とのパイプをつなぎ続けてきました。
 丸文松島汽船松島営業所矢部善之所長「高い壁がまだあるので、ちょっと(入国は)大変にはなっているが、それを踏まえて、先方(台湾のツアー会社)とやりとりしていた」

観光復活と第7波

 国内では6月10日に外国人観光客の受け入れが再開しましたが、6月末までの入国者はわずか252人にとどまっています。
 これまで不要だったビザが必要になったことや、出国する3日以内に検査しコロナの陰性を証明する必要があることなどから出だしは低調でした。ただ、7月以降の入国希望者数は1万4000人を超えていて、入国者は更に増える見通しです。

 台湾便の再開で高まる観光復活への期待。関係者は、忍び寄る第7波の行方を固唾をのんで見守っています。
 丸文松島汽船松島営業所矢部善之所長「もうやることは一つで、ずっと従来変わらず、従業員の感染対策と設備、船舶の感染対策を十分に、今まで同様続ける。ちょっとでも期待を持って、仕事をしたいと思っている」