7月の大雨で発生した大崎市の名蓋(なぶた)川周辺での浸水被害を踏まえ、宮城県は19日、同じ水系の上流部で始まりつつある鳴瀬川ダムの建設前倒しを国に要望していく方針を示しました。

 この方針は19日に開かれた県議会の建設企業委員会で示されました。

 7月の大雨で、大崎市などを流れる名蓋川の堤防は3カ所で決壊し、住宅地を含む広い範囲が浸水しました。

 名蓋川と同じ鳴瀬川水系の上流部では、国土交通省が治水などを目的に鳴瀬川ダムの関連工事を6月に始めていて、完成は2036年度の予定です。

 委員会では、完成時期の前倒しを求めるべきと促した議員に対し、県側が「国に要望する」と応じました。

 ダムによって鳴瀬川の水量を下げられれば、名蓋川など支流の水量も下がりやすくなり水害の防止に一定の効果が見込めるということです。

 また、県側は堤防などの対策だけでは限界があるとして、雨水を水田にためる工夫や土地利用の規制などもあわせて取り組んでいく考えを示しました。