東北電力の従業員が子会社が持つ新電力の顧客情報を不正に閲覧していたことが分かりました。電気事業法や個人情報保護法に触れる疑いがあるということです。

 この問題は、東北電力と子会社の東北電力ネットワークが13日夜に記者会見を開いて発表したものです。

 東北電力を含む大手電力会社は、規制緩和に伴って参入した「新電力」などとの競争を促すために送配電事業の分社を求められ、東北電力管内の送配電事業は東北電力ネットワークが担っています。

 東北電力ネットワークは、送配電網を使用する新電力の顧客について名前や電話番号といった情報を持っていて、この顧客情報を新電力と競合する東北電力の従業員が不正に閲覧していました。

 不正閲覧があったのは青森県八戸市と岩手県釜石市の営業所で、東北電力の従業員が東北電力ネットワーク用のパソコンを使って顧客の名前と電話番号を閲覧していたということです。泉区の営業所でも閲覧できる状態でした。

 2社は今回の不正閲覧の規模や理由などを詳しく調べるとともに、同様の行為がなかったか全社的に調査を進めます。そして、電力・ガス取引監視等委員会には1月27日までに個人情報保護委員会には2月3日までに報告するということです。