10日から仙台市で始まる世界防災フォーラムに参加する海外の研究者らが、宮城県名取市の震災伝承施設などを視察しました。

 10日、アメリカやインドネシアなどの研究者ら10人が名取市を視察しました。このうち、震災の津波で甚大な被害を受けたカーネーションのハウスでは、農家が被害の状況を説明しました。

 菅井園芸代表菅井啓貴さん「この場所は、閖上の海岸から約2キロ離れています。津波は来ないと思っていました。ところが津波はやって来て、このカーネーション温室全てを津波のがれきで埋め尽くしました」

 研究者らは、約2年かかったという菅井さんの復興までの道のりをカーネーションを眺めたり手に取ったりしながら学びました。

 また、震災復興伝承館では震災前の街並みを復元した模型や、被害状況を記録したパネル展示などを見学しました。

 研究者「女性やお年寄り、若い子まで被災地で防災のメッセージを広めているのは、とても印象的でした」

 第3回世界防災フォーラムは、国内外の政府関係者や研究者ら約4500人が集まり、10日から3日間仙台市で開催されます。

 防災や減災に向けた課題などを議論するほか、市民が参加できるイベントも行われます。

 研究者「仙台で生まれたアイデアは、世界中に発信され、多くの人の役に立つと思います」