石破茂前総理の肝入り、2026年度の設置が決まった防災庁は政府が災害対策の新たな司令塔と位置付けています。

 分局と言える地方機関の仙台市への誘致を、宮城県と仙台市が政府に要望しています。

 防災庁がどのような組織で、地方機関はどのような役割を担うのでしょうか。

 政府の有識者会議の主要メンバーで、防災庁設置に向けた政府のアドバイザー会議でとりまとめ役を務めた名古屋大学の福和伸夫名誉教授に、防災庁について聞きました。

 名古屋大学福和伸夫名誉教授「今後、南海トラフ地震や日本海溝・千島海溝地震、更には首都直下地震など国難級の災害が心配されています。省庁を越えて国難級の災害に対処できるような準備をする必要があるということが基本になります」

 福和教授によりますと、11月に設置の方向で調整されている防災庁は内閣直下に位置づけられ、他の省庁に対して防災政策の指導や助言を行うなどの強い権限を持ちます。

 産官学民を挙げて事前の備えを進めるほか、災害発生時には情報を一元化して迅速に対応し、復旧復興まで一貫した調整を行う司令塔となります。

 防災庁は東京都に本庁が置かれますが、本庁を補う形で南海トラフと日本海溝・千島海溝沿いの2つの巨大地震の発生が見込まれる地域に地方機関が設けられる予定です。

 名古屋大学福和伸夫名誉教授「防災庁が設置された後に、その絵姿を考えていくということになっていると思います。ですからまだ今の時点では地域の組織のあり方、役割については白紙であると思っていただいた方がいいのではないでしょうか」

 地方機関について分かっているのは、本庁より遅い2027年度以降に設置されること、あとは1拠点当たり約30人体制が想定されていること程度だといいます。

 具体的な在り方は今後決まりますが、福和教授は「徹底した事前防災に取り組む要の場所になる」と予想しています。

 名古屋大学福和伸夫名誉教授「20人から30人の人がいい形で地域の人たちと連携をする、すなわち産官学民の連携のプラットフォームを作っておくことが大事だと思いますね。それを通して徹底的な事前防災を進めていくと同時に、災害が起きた後に互いに共助のシステムをつくって助け合っていくということを事前に進めていくという役割だと思います」

 郡仙台市長「本市がこの間、様々な防災環境都市として歩みを進めてきたということは、まさに防災庁の根幹に関わる取り組みの中に生かしていただけるものではないかと自負しておりまして」

 東日本大震災からの復興に努めてきた経験を生かせるとして、2025年5月に郡仙台市長が地方機関の誘致を目指すと表明しました。

 1月には村井知事と共に、牧野京夫復興大臣に仙台市への設置を要望しました。

 ただ、こうした要望は全国40を超える自治体から寄せられる誘致合戦となっていて、いつ、どのようにして選ぶかも未定ということです。

 仙台市への要望の実現は見通せませんが、今もアドバイザーとして国とやり取りしている福和教授は地方機関は今後、段階的に全国の各ブロックに設置されていくと予想しています。

 名古屋大学福和伸夫名誉教授「どこかだけで地方の対応ができるわけではないので、できる限りネットワーク型になっていくべきだと思います。例えば各地方整備局が存在するような、それぞれのブロックごとにちゃんと対応の中心拠点を作っていくということは自然の流れではないかと思いますね」

 福和教授は国の意思決定には関わっていませんが、日本海溝・千島海溝地震の対応拠点として東北または北海道が選ばれることは、十分あり得ると話していました。

 また、政府内では将来的に地方機関を全国各地に増やす案が浮上しているとも言われています。