仙台市が導入を目指す宿泊税について、仙台市議会最終日の4日に宿泊税に関する条例案の採決が行われ、賛成多数で可決されました。

 仙台市は宮城県と共に新たな観光振興の財源として宿泊税の導入を検討していて、市議会に条例案と約9000万円の関連予算を追加する補正予算案を提出しています。

 宿泊税は宮城県全域で1泊6000円以上の宿泊に一律300円を課税し、仙台市の宿泊では仙台市が200円を、宮城県が100円を課税します。

 4日の仙台市議会では、導入に慎重な姿勢の議員から、継続審査を求める動議が出されましたが否決されました。

 宿泊税に関連する予算を削除した補正予算の修正案も提出され、議論は長期化しました。市議会では午後6時前に採決が行われ、修正案は否決、そして宿泊税の条例案や関連する補正予算案は賛成多数で可決されました。

 条例の可決を受け、仙台市は現在も審議が続く宮城県議会の状況を見ながら2025年11月の宿泊税導入を目指します。

 仙台市と同様に宿泊税の導入を目指す宮城県は、県議会で8日に常任委員会で条例案の審議が行われ17日の本会議で採決が行われる予定です。

 宿泊税の条例案をめぐっては、導入に反対する立場の事業者からは厳しい声が聞かれました。

 作並温泉旅館組合岩松廣行組合長「私ども宿泊事業者の意見は全部スルーされてきたと。質問にも答えない。しかも今度は使い道についても全く具体的なものが出てこない。抽象的な話ばかりでしょ」

 作並温泉旅館組合の組合長、岩松廣行さんです。組合は6月、市に対し宿泊税を導入をしないよう求める要望書を提出しています。

 作並温泉の宿泊客の多くは宮城県や仙台市の人だとして、市民への説明が十分ではなかったと批判しています。

 作並温泉旅館組合岩松廣行組合長「我々のお客様は大半が宮城県民であり仙台市民です。この方々に対して税金をいただくとなった場合、市長はちゃんと市民に対して説明してくださいと。全くできていないですよね」

 今回の宿泊税の制度は、宮城県全域で1泊6000円以上の宿泊料金に対して宮城県が一律300円を課税しますが、仙台市での宿泊は宮城県県は100円だけ課税し、残る200円は仙台市が課税します。

 4日の仙台市議会では、この仙台市の200円分についての可決しました。
 仙台市によりますと、仮に宮城県の宿泊税条例案が可決しなかったとしても、原則としては仙台市単独で宿泊税の制度は成立し、200円を課税することが可能だということです。
 仙台市は宮城県が調整を重ねて制度設計をしてきたため「県と足並みをそろえたい気持ちはあるし、最終的には総務省の判断となる」としています。