パキスタンと領有権を争うカシミール地方のパキスタン実効支配地域などをインド軍が攻撃しました。インドとパキスタンはそもそもなぜ対立しているのでしょうか。外報部の中丸徹デスクの解説です。
(外報部・中丸徹デスク解説) カシミール地方の紛争はイギリスからの独立にさかのぼります。
1947年、イギリス領インドは、ヒンズー教徒の多いインドと、イスラム教徒の多いパキスタンに分かれて独立しました。
カシミール地方はイスラム教徒の多い地域でしたが、地域を支配していた藩王がヒンズー教徒であったことなどからインドとパキスタンがそれぞれ領有権を主張し、3度戦争を繰り返したり、その後、一部の領有権を主張する中国がインドに戦争を起こすなど、複雑な対立が絡み合ってきました。
(Q.これまでも対立があったなかで、なぜこのタイミングで武力攻撃にまで発展したのか?) 最近ではインドのモディ首相の「ヒンズー至上主義」によってこの地域のイスラム教徒の自治が制限されて、テロが頻発していました。
直接的には先月、インドの支配地域で起きたテロで26人が死亡し、インドはパキスタン政府がテロを支援していると主張していますが、パキスタン政府は関与を否定しています。
インド国内ではこのテロに対する報復を求める声が高まってインド政府が攻撃に踏み切ったということです。