5月11日の母の日を前に、花を贈る習慣をPRしようと関係者らが仙台市の郡市長にカーネーションの花束を贈りました。

 郡市長にカーネーションやあじさいの花束を贈ったのは、生花を取り扱う仙台市中央卸売市場の販売促進部会の委員らです。

 贈られたカーネーションは、東北一の生産地名取市産です。

 名取市のカーネーションは品質の高さが評価されていて、宮城県でシェア86%を誇ります。近年は品種改良も進み、水色や黄色など色鮮やかなカーネーションも楽しむことができます。

 仙台生花株式会社佐藤慎吾監査役「とても色々な種類から選んで、これがお母さんに似合うなと思ってプレゼントする物だと思うので、ぜひ飾って楽しんでください」】

 母の日の贈り物に欠かせないカーネーションは、宮城県名取市が東北一の産地です。

 名取市では、沿岸部の高柳地区と小塚原地区で計17軒の農家がハウス栽培でカーネーションを生産しています。

 小塚原にある三浦智和さんの農園でも、出荷作業が最盛期を迎えています。先週だけで約1万本を出荷したといいます。

 名取市花卉生産組合三浦智和さん「私の祖父の時代なので1940年ごろと聞いていますが、お金持ちの多い仙台市に向けて何か珍しい物を売り出したらいいんじゃないかというところから、カーネーションを作り始めるようになったと聞いています」

 名取市では、米に代わる作物として大正時代の終わりごろから他の地域に先駆けて、温室栽培による野菜や果物の生産が行われていて、カーネーション栽培も1940年ごろに始まりました。

 戦後、進駐軍が仙台に駐留するとカーネーションの需要が一気に高まったということです。大消費地の仙台が近いことが産地の発展を支えました。

 しかし、かつては大変な苦労もあったといいます。

 三浦智和さん「温室に雪が降ったりすると、私の父や子どもたちを総動員で起こして、屋根の雪下ろしをしたとか、暖房の薪ストーブは2時間ごとに薪をくべなければならなかったので、夜に寝る時間が無くて大変だったということは聞いてます」

 遅くとも2002年には、名取市が東北一の産地へと成長しました。

 東日本大震災も乗り越え、名取市のカーネーション作りは今も変わらず受け継がれています。

 カーネーション自体も魅力ある花です。色や種類が豊富で、名取市では100種類以上生産されているそうです。

 更に花びらが散らないことや香りが強すぎないこと、花粉がほとんど落ちないなど、扱いやすい花であることも人気の秘密です。

 三浦智和さん「思いを持って作っているカーネーションですから、日頃の感謝を込めてプレゼントしていただければとてもうれしいなと思っています」

 カーネーションは日持ちも良く、冬だと1カ月くらい今の時期でも2週間くらい楽しめるということです。