日本と外交関係を結んでから130周年となるブラジルを佳子さまが公式訪問されます。その背景にある日系移民の思いを取材しました。

 今週、群馬県内で行われたサンバショー。今年は日本とブラジルが外交関係を結んでから130周年となります。

 両国にとって節目となる年に、ブラジルを公式訪問されることが決まった秋篠宮ご夫妻の次女・佳子さま。

 ブラジル政府からの招待を受けて、来月4日から2週間の日程で訪問されます。

 日本の皇室とブラジルの強い絆の背景にあるのは、海を越えて移住した多くの日系人の存在です。

 カクタメルセデスさんは、戦前にブラジルへ渡った両親のもとに生まれました。

カクタメルセデスさん 「(父は)ポルトガル語が分からないから『何しに来たか』と言われたとかって」

 日本からブラジルへの移住が始まったのは1908年。経済不況や人口増加への対策として、海外への移住を日本政府が推進したこともあり、ブラジルにいる日系人は270万人と“世界最多”です。

 当初は不慣れな労働に加えて低賃金などの苦難に見舞われながらも、現地でコミュニティを築いてきました。

カクタさん 「食べ物が好きだった。餅をついて臼も自分で作って。本当の日本式だった、小さい時」

 母国を離れた、こうした日本人たちに思いをはせ、皇室は幾度となくブラジル訪問を繰り返してきました。カクタさん自身は50歳のころに来日し、日本で新たな生活を始めました。

 今回の佳子さまの訪問についても「うれしい」と話します。

カクタさん 「いいなって。うれしい。行って喜んで帰ってくれたらいいね」 「(Q.(佳子さまに)おすすめの料理ありますか?)あっちのお寿司を食べてほしい。お寿司屋でもなんでもあるから」 「(Q.日本とブラジルがどうなっていくといいですか?)良い方に向かってほしい、なんでも」

 困難を乗り越えながら育まれた日本とブラジルの友好関係。

 佳子さまは滞在中、多くの日系人が住む8つの都市を訪問し、お言葉を述べられる予定です。