イランとアメリカの核協議が続くなか、IAEA(国際原子力機関)はイランの高濃縮ウランの貯蔵量が2月に比べて1.5倍増え、深刻な懸念を表明する報告書をまとめました。

 AP通信などによりますと、IAEAはイランが5月17日の時点で60%に濃縮されたウランの貯蔵量をさらに増やし、408.6キロ保有しているという報告書をまとめました。

 貯蔵量は今年2月の報告書の274.8キロから約1.5倍に増えたと指摘しています。

 このウランの量はさらに濃縮する技術があれば、核爆弾9個分に相当するということです。

 イランは核開発は平和利用のためだと繰り返し主張していますが、IAEAは「核兵器を持たない国でこのような物質(高濃縮ウラン)を生産する唯一の国」と指摘し、深刻な懸念を表明しています。

 イランと対立するイスラエルの首相府は「IAEAの報告はイランが核兵器の開発をやり遂げようとしていることを示している」としたうえで、「国際社会は今すぐ行動しなければならない」と訴えました。