戦後80年を前に総理談話の発出について国会で議論となりました。石破総理大臣は「歴史認識は引き継ぐ」としたうえで、今の憲法のもとでの文民統制の在り方に問題意識があると指摘しました。

自民党 北村参議院議員 「日本の周辺には外交上、ことを有利に運ぶために戦争の評価を利用しようとする国があります。私はそのような状況下で相手国につけ入る隙を与えるような行動は厳に慎むべきだと考えておりますけれども、仮に今回、総理メッセージを出すのであれば、その目的は何なのか」

石破総理大臣 「文民統制の在り方というものについて、戦前の色んな教訓を踏まえながら、現行憲法のもとでいかなることが可能なのかということについては私自身、問題意識を持っておるところでございます」

 参議院の予算委員会で石破総理は戦後70年の「安倍談話」の評価を問われ、「村山内閣以来、安倍総理において確認された歴史認識は引き継いでいく」と強調しました。

 そのうえで「自衛官の権利が守られる文民統制の在り方」などに問題意識を持っていると述べました。

 石破総理は、これまでに自身のブログで装備の問題点など「政治に対して発言することは自衛官の権利で文民統制を実効あらしめるための義務だ」などと述べていました。

 また、総理就任前の2023年には国会で「命を懸けて職務を全うする軍事専門家たる自衛官が国会においてきちんと証言や答弁することは正しい立法府による文民統制の在り方だ」「制服を着た者が国会に来ないことが正しい文民統制とは全く思っていない」などと指摘しています。

 戦後80年を巡っては石破総理は、いわゆる「80年談話」の閣議決定は見送る一方で、戦争の検証を行うために有識者から意見を聞く場を設置する方針ですが、立ち上げが遅れています。